静岡東宝会館

静岡東宝会館について

静岡東宝会館は、静岡県静岡市葵区七間町に位置する映画館です。6階建てのビルに5つのスクリーンを備え、映画ファンにとって欠かせない存在となっています。運営は日映株式会社が行っており、1983年12月17日に開館しました。

「映画館の町」七間町

七間町は、かつて「映画館の町」として知られ、最盛期には10館以上の映画館が軒を連ねていました。しかし、2011年に静活株式会社が運営する映画館が全て閉館したことで、現在では静岡東宝会館が唯一の映画館となっています。この映画館の愛称である「CINE7」は、所在地の七間町に由来しています。

上映作品と運営

静岡東宝会館では、東宝系の映画を中心に上映していますが、当映画館と東宝株式会社との間に資本・業務提携はありません。そのため、TOHOシネマズのサービスなどは利用できません。

基本情報

• - 所在地：静岡県静岡市葵区七間町12
• - アクセス：JR東海道本線静岡駅北口から徒歩約15分
• - スクリーン：全スクリーンにDLPとSRD-EXを導入

歴史

七間町の発展

七間町は、静岡市における演劇や映画などの娯楽の中心地として発展しました。静岡市で初めて活動写真が上映された若竹座や、初の常設映画館であるパテー館もこの地にありました。1940年の静岡大火や1945年の静岡大空襲で大きな被害を受けましたが、戦後には再び映画館が立ち並ぶ町として復興しました。

前身と変遷

静岡東宝会館の前身は、1946年8月にオープンしたニュース[[映画]]専門館「静岡ニュース劇場」です。翌年には「静岡中央劇場」と改称し、東宝系の作品を中心に上映するようになりました。その後、日映株式会社が買収し、「静岡東宝劇場」となりました。
最盛期には、静岡東宝劇場、静岡第二東映劇場、第一劇場の3館に加え、静活株式会社が運営する静岡オリオン座など、七間町には10館以上の映画館がありました。

静岡東宝会館の開館

1981年頃に東宝劇場を閉館し、建て替え工事を経て1983年12月17日に現在の静岡東宝会館が開館しました。開館当初は3つのスクリーンがあり、それぞれ300席以上を有していました。東宝がアイドル映画を多数製作していた時代には、たのきんトリオや光GENJIが舞台挨拶に訪れ、多くの観客を集めました。
1990年代には、地下1階にミニシアター「ヴェルデ東宝」を開館し4スクリーン体制となりました。地元出身の俳優、加藤諒も幼少期からこの映画館で様々な作品を鑑賞していたそうです。

リニューアルと現在

2011年2月5日には、4スクリーンを6スクリーンにリニューアルしました。6階の「静岡東宝スカラ座」を2つに分割し、4階・5階の「静岡東宝プラザ」も2つに分割しました。最も小さな「CINE3」は、わずか52席の小規模なスクリーンですが、その距離の近さから、迫力のある映像体験が楽しめると評判です。その後、地下1階の「CINE6」を閉館し、現在の5スクリーン体制となりました。

「映画館の町」の終焉とその後

2000年代に入ると、シネマコンプレックスが各地に広まりました。七間町で複数の映画館を運営していた静活も、シネコン化を図り、2011年10月2日に運営していた4館9スクリーンを一斉閉館しました。その3日後には、新静岡セノバに10スクリーンを有するシネシティザートがオープンし、七間町の映画館は静岡東宝会館のみとなりました。

記念イベントと上映

2013年には、静岡市初の常設映画館「パテー館」開館100周年を記念し、静岡市映画興行協会が記念イベントを企画しました。2014年1月には、静岡東宝会館とシネシティザートで旧作名画の上映会が開催され、監督や俳優のトークイベントも行われました。また、長らく日本未公開だったオードリー・ヘプバーン主演作が、このイベントで初めて上映されました。

2020年には、静岡県立美術館で開催された「富野由悠季の世界展」に関連して、静岡東宝会館で劇場版アニメの上映会が行われました。2023年には、ロックバンド「King Gnu|King_Gnu」の井口理が主演する映画の舞台挨拶も行われ、多くのファンが訪れました。

静岡東宝会館は、歴史ある「映画館の町」の象徴として、これからも多くの人々に愛され続けるでしょう。

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