静岡県道22号三島富士線

静岡県道22号三島富士線：歴史と現代が交差する道

静岡県道22号三島富士線は、三島市から富士市へと至る全長約19.9kmの主要地方道です。この道路は、古くから人々の往来を支えてきた根方街道の大部分を踏襲しており、現在でも「根方街道」の名称で親しまれています。

概要

この県道は、沼津市石川付近で一時的に二手に分かれる区間があります。これは、東駿河湾環状道路の未着工区間に接続するためのバイパスとして計画されたものです。しかし、用地買収の遅れや軟弱地盤の影響で工事が長期化しており、開通が遅れています。一部区間は既に供用されており、都市計画道路金岡浮島線など、バイパスの一部を構成する区間も利用可能です。また、国道1号の江原公園交差点付近では、右折レーンの狭さから慢性的な交通渋滞が発生しており、特に朝夕の通勤時間帯にはその影響が根方街道にまで及んでいます。

路線データ

陸上距離: 19.9km
起点: 三島市川原ケ谷（谷田東小山交差点、国道1号交点）
終点: 富士市錦町1丁目（錦町北交差点、国道139号交点）

歴史

1993年5月11日に、県道三島富士線は建設省によって主要地方道に指定されました。

路線状況

この県道には、以下のような別名や重複区間があります。

別名:

旧東海道（三島市川原ヶ谷付近 - 三嶋大社 - 伊豆箱根鉄道駿豆線三島広小路駅間）
三島大通り商店街
広小路笑栄通り（三島広小路駅東側）
土狩街道（下土狩駅前商店街）
根方街道

重複区間:

国道1号（沼津市江原町・江原公園交差点 - 西熊堂交差点）0.2km

地理

通過する自治体:

三島市
駿東郡長泉町
沼津市
富士市

交差する道路:

この県道は、多くの主要道路と交差しています。以下に主な交差点と接続する道路を列挙します。

国道1号（三島市谷田・谷田東小山交差点、起点）
静岡県道21号三島裾野線（三島市大社町・大社町西交差点）
静岡県道143号三島田町停車場線（三島市中央町・田町駅入口交差点）
静岡県道51号三島停車場線（三島市本町）
静岡県道145号沼津三島線（三島市広小路町）
静岡県道144号下土狩徳倉沼津港線（駿東郡長泉町下土狩）
静岡県道87号大岡元長窪線（静岡県道394号沼津小山線 重複）（駿東郡長泉町下土狩・鮎壺交差点）
国道246号（沼津市岡一色・岡一色交差点）
静岡県道405号足高三枚橋線（沼津市岡宮）
国道1号・静岡県道162号沼津停車場東沢田線（沼津市江原町）
国道1号（沼津市江原町）
静岡県道164号西椎路松長線（沼津市西椎路・西椎路北交差点）
静岡県道165号原停車場線（沼津市根古屋・根古屋交差点）
静岡県道166号石川一本松線（沼津市石川）
静岡県道167号須津東田子浦停車場線（富士市中里・須津橋交差点）
静岡県道76号富士富士宮由比線（富士市富士岡・富士岡交差点）
静岡県道169号吉永吉原停車場線（富士市比奈）
静岡県道24号富士裾野線（富士市今泉1丁目・和田町交差点）
静岡県道171号吉原停車場吉原線・静岡県道172号吉原田子浦港線（富士市吉原2丁目）
国道139号（富士市錦町1丁目・錦町北交差点、終点）

沿線

沿線には、歴史的な名所や自然豊かなスポットが点在しています。

三嶋大社
門池公園（門池）
根方街道

根方街道について

根方街道は、東海道の脇街道として整備された歴史的な道です。矢倉沢往還（現在の国道246号の旧道）の鮎壺交差点から分岐し、富士市比奈付近まで県道22号とほぼ同じルートを辿り、その後、市道「伝法原田線」に近いルートを通って富士市岩淵付近まで続いていました。源平合戦ゆかりの呼子坂や源太坂もこの街道上に位置しており、源頼朝も富士川の戦いに向かう際にこの道を利用したと伝えられています。なお、「根方」という名称は、富士山や愛鷹山の山の根の先端を縫うように通ることに由来しています。

沿線には古くからの寺社が多く、道路拡幅が困難な箇所が多いため、道幅が非常に狭い場所もあります。特に沼津市内や富士市東部では大型車の通行に適さない区間があります。富士急バスの路線バス「根方線」が設定されており、沿線の住民の足として利用されています。

沿線を通る主な町:

鮎壷 - 熊堂 - 椎路 - 鳥谷 - 根古谷 - 井出 - 平沼 - 石川 - 江尾 - 増川 - 神谷 - 須津 - 中里 - 富士岡 - 比奈 - 滝川 - 宇東川 -（呼子坂）- 今泉 -（源太坂） - 国久保 - 伝法 - （三日市浅間神社） - 中島

富士市内では市街化が進み、道祖神や地蔵などのわずかな痕跡を残すのみで、昔の街道を辿ることは困難になっています。現在の県道22号線は西比奈から西へ直進し、原田駅前を通って吉原中心部へと続いています。

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