革命指導評議会

イラク革命指導評議会（RCC）：サッダーム政権の心臓部

イラク革命指導評議会（RCC）は、1968年7月のバアス党によるクーデター以降、2003年4月のサッダーム・フセイン政権崩壊まで、イラク共和国の最高権力機関として機能した組織です。立法、行政、司法のあらゆる国家権力を掌握し、イラク政治の中枢を担っていました。

RCCの権力構造

RCC評議員は、形式上はイラク国民議会とクルド立法評議会から選出されるものの、実質的にはバアス党の支配下にあり、その人事は党によって決定されていました。RCC議長と副議長は、評議員の中から互選によって選ばれていました。この評議会は、サッダーム・フセイン政権の絶対的な権力基盤であり、その決定は国家全体の政策に直接反映されました。

主要メンバー

RCCのメンバーは、サッダーム・フセインを始め、イラク政権の中枢を担った高官やバアス党幹部で構成されていました。主なメンバーは以下の通りです。

サッダーム・フセイン（議長兼大統領）: 言うまでもなく、RCCの中心人物であり、イラクの絶対的な支配者でした。
イッザト・イブラーヒーム（副議長）: サッダームの側近であり、長年にわたり重要な役割を果たしました。
ターハー・ヤースィーン・ラマダーン（副大統領）: サッダーム政権における重要な人物の一人です。
クサイ・サッダーム・フセイン（バアス党軍事局副議長）: サッダームの息子であり、軍事部門で重要な役割を担っていました。
ターリク・ミハイル・アズィーズ（副首相）: 外交などを担当するなど、政権内で重要な役割を担っていました。
アリー・ハサン・アル＝マジード: サッダーム政権下で、様々な要職を歴任しました。
ムハンマド・ズィマーム・アッ＝サアドゥーン: バアス党タミーン県支部書記として地方組織を掌握していました。
アブドゥル＝バーキー・アッ＝サアドゥーン: バアス党ディヤーラー県支部書記として地方組織を掌握していました。
ラシード・タアーン・カーズィム: バアス党アンバール県支部書記として地方組織を掌握していました。
ファーディル・マフムード・ガリーブ: バアス党バービル県支部書記として地方組織を掌握していました。
ムフスィン・ハドル・アル＝ハッファージー: バアス党カーディスィーヤ県支部書記として地方組織を掌握していました。
ヤヒヤー・アブドゥッラー・アル＝ウバイディー: バアス党バスラ県支部書記として地方組織を掌握していました。
ウグラ・アービド・サキル・アッ＝クバイスィー: バアス党マイサーン県支部書記として地方組織を掌握していました。
アズィーズ・サーリフ・アッ＝ヌウマーン: バアス党バグダード県西部地区書記として地方組織を掌握していました。
サミール・アブドゥルアズィーズ・アッ＝ナージム: バアス党バグダード県ルサーファ地区支部書記として地方組織を掌握していました。
ミズバーン・ハドル・ハーディー: バアス党中部支局書記兼ユーフラテス地域支局書記として地方組織を掌握していました。
ラティーフ・ジャースィム・アッ＝ドゥライミー: バアス党軍事局副議長として軍事部門で重要な役割を担っていました。
フダー・サーリフ・マフディー・アンマーシュ: バアス党貿易局書記兼党学生青年局書記として党内組織を掌握していました。
* アズィーズ・アブドゥッラー: RCCメンバーとして重要な役割を果たしました。

これらのメンバーは、サッダーム・フセインによる絶対的な支配体制を支え、イラク国内の政治、経済、軍事、社会のあらゆる側面を統制していました。

RCCの解体

2003年のイラク戦争において、サッダーム・フセイン政権が崩壊すると、RCCは連合国暫定当局によって解体されました。これにより、長年にわたってイラクの政治を支配してきたRCCの力は完全に失われました。RCCの解体は、イラクの政治構造に大きな変化をもたらし、新たな政治体制への移行の始まりとなりました。 RCCの歴史は、イラクの近代史において重要な一章であり、その権力構造や主要メンバー、そしてその歴史的役割を理解することは、イラクの政治を理解する上で不可欠です。

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