鞍馬型巡洋戦艦

鞍馬型巡洋戦艦の詳細

鞍馬型巡洋戦艦（くらまがたじゅんようせんかん）、または伊吹型（いぶきがた）は、大日本帝国海軍がもたらした重要な艦艇の一群です。これらの艦は当初、一等巡洋艦（装甲巡洋艦）に分類され、1912年8月から巡洋戦艦に類別されました。二隻、鞍馬と伊吹が建造され、特に「香取型」とされる準弩級戦艦と同等の砲力を持つことを特徴としています。

艦の概要

鞍馬型巡洋戦艦は、筑波型の改良版として誕生しました。これらの艦は主力艦としての役割を担い、高速で航行する能力を備えています。鞍馬は最後のレシプロエンジン搭載艦であり、最先端の三脚式マストを採用していました。一方で、伊吹はタービン形式を採用し、迅速に建造されました。そのため、外見や仕様には明確な違いが見られます。

艦の就役後には旧型艦との評価を受け、特にドレッドノートの登場以降、その位置づけが難しくなりました。水線部装甲の最厚さは203mmであり、同時代の戦艦に比べやや薄い一面もありましたが、実質的には高速戦艦の特性を備えていたと言われています。

艦形について

この艦型の船体形状は、艦首が乾舷の高い短船首楼型で、艦首から続く船首楼は狭い構造になっています。ここに「四一式 30.5cm（45口径）砲」を収めた主砲塔が配置され、指揮塔の上には射撃方位盤を持つ前部三脚檣があります。艦の中央部には独特の構造物が存在し、短形の煙突が3本立ち並ぶ特徴を持っています。副砲として八角柱型の連装砲塔が配置され、艦の前後には多彩な砲が装備されています。

主砲と副砲

主砲は、鞍馬型の伊吹がアームストロング社製の砲を装備し、鞍馬はその設計を基にコピーした形になっています。この主砲の性能は、386kgの弾薬を最大15度の仰角で18,300m先まで届かせる優れた射程を誇ります。

副砲には「四一式 20.3cm（45口径）砲」が採用され、最大仰角30度で射程18,000mに達する能力を持ちます。これらの砲は、艦の隅々に配置され、柔軟な攻撃を可能にしています。

機関と防御

鞍馬型は、2基のレシプロ機関を搭載した鞍馬と、直結タービンを採用した伊吹に分かれ、機関形式によっても両艦は明確に識別されました。防御に関しては、203mmの舷側装甲は非常に優れた設計となっており、主砲弾薬庫や機関部の防護にも配慮されています。

艦歴とその後

両艦は第一次世界大戦やシベリア出兵に参加しましたが、最終的にはワシントン海軍軍縮条約に基づき、1923年から1924年にかけて解体されました。また、解体された主砲塔は陸上の砲台に再利用されるなど、歴史に名を刻んだ艦艇となりました。

同型艦

• - 鞍馬
• - 伊吹

これらの情報を通じて、鞍馬型巡洋戦艦はその技術的革新と艦歴において、大日本帝国海軍の中でも特異な存在として理解されることができるでしょう。

もう一度検索