韓国鉄道1000系電車

1000系電車の概要

1000系電車は、韓国鉄道公社（旧・鉄道庁）が運行する交直流両用の通勤型電車です。この電車は、京釜線、京仁線、京元線ではもちろん、ソウルメトロ1号線と相互乗り入れをしていました。1974年8月15日、126両が日本から輸入され、これをもってサービスがスタートしました。

車両の構造

この電車は「1000系」という車両番号が付けられていますが、制御方式から「抵抗車」とする呼称も存在します。1000系は広域電鉄としては初めての電車で、デザイン面では日本国有鉄道の301系や103系などの影響を受けています。主な特徴としては、鋼製の車体に6M4Tのモーター構成が挙げられ、交流および直流両方の電化に対応するための交直流電車となっています。主電動機としてはHS-1036-CRBが導入され、台車は日立製作所で製造されたKH-90形を採用していることも注目されます。

1次車の導入と進化

1974年に日本で製造された126両は、ソウル電動車事務所（現在の九老車両事業所）に配属され、最初は6両編成で運行が開始されました。この時の車両は、紺色の車体にクリーム色の帯を持つデザインが施されていました。これにより在来の普通列車とも共通の外観を持ちました。1984年からは新たに中間電動車が増結され、8両編成化が実現しました。また、1988年から1990年にかけて冷房設備が導入され、当初の非冷房車から進化を遂げました。

2次車と3次車の特徴

1986年以降に製造された2次車は、デザインが大幅に改良され、運行記録装置や冷房装置が搭載されるようになりました。主抵抗器も日本製から韓国製に変更され、1988年から1990年には冷房改造が行われました。2010年には衝突事故により一部編成が廃車となり、その後も廃車が続きました。

一方、1994年に製造された3次車は、最終的な86編成まで続き、そのデザインは2000系と共通のものに変更されました。この間、塗装も新たに白地に黄色と緑の帯が施されました。2019年からの廃車では、2021年の営業終了が計画されましたが、2020年の脱線事故により運行が前倒しで停止しました。

改造と現在の状況

2000年からは、急行運転への対応として誤通過防止装置が設置され、補機類の更新も進められました。塗装の変更も行われ、韓国鉄道庁のロゴに合わせた新しい色合いが採用されました。また、内装材についても不燃性のものに改造され、方向幕のLED化が進められました。

編成構成

1000系には6両編成（4M2T）と10両編成（6M4T）があります。具体的には、様々な車両番号の組み合わせから成り立っており、運行形態に応じて編成が変更されることもあります。普段はファンの間で‘1x42編成’と呼ばれますが、内部では‘1042-1142編成’のように正式に名前が付けられています。

保存と記念

廃車された初期車の中からいくつかが鉄道博物館に保存されており、その中には1001号車や初の韓国製編成の先頭車が含まれます。また、韓国各地に保存車も見受けられ、鉄道ファンにとって興味深い存在となっています。

1000系電車は韓国の鉄道史において重要な役割を果たしてきた車両であり、その進化と歴史は今なお多くの人々に愛され続けています。

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