韓琦

韓琦の生涯と業績

韓琦（かん き、1008年-1075年）は中国北宋の著名な政治家、詩人、文学者であり、その業績は今なお語り継がれています。字は稚圭、号は贛叟、諡は忠献で、相州安陽県に生まれました。父親の韓国華と母親の連理を持ち、子供たちも彼の名を受け継ぎ、のちに南宋の宰相として知られる韓侂冑もその子孫にあたります。主な著作には『安陽集』や『諫垣存稿』などがあります。

韓琦は、三十歳のころには既に文武の才に秀で、同時代の賢相として知られる富弼と並び称される存在となりました。しかし、その後の人生は王安石との対立により不遇の時期も迎えました。

経歴概要

韓琦は天聖5年（1027年）、科挙において次席で合格し、その後進士として官職を得ました。彼はこの時期、具臣の弾劾により綱紀の粛正や、四川における飢民の救済に尽力しました。政策提言や行政業務においても、同僚たちの意見対立の中、自ら冷静に職務を全うし続けました。

景祐元年（1034年）には開封府の推官に任命され、さらに2年後には度支判官としての役職に転じ、太常博士にもなりました。その後、右司諫に昇進するなど、彼の登用は続きました。

西夏への攻防

康定元年（1040年）には陝西地方の指揮官として西夏に対する攻撃を主張しますが、六盤山での戦闘では大きな損害を被り、結果的に失敗に終わります。この敗北を受けて、彼は同じく指揮官であった范仲淹と協力し、国境防衛に力を注ぐことになりました。「韓范」の連携は有名を博し、彼らの存在は国境付近の住民からも恐れられました。

慶暦3年（1043年）には枢密副使に就任し、范仲淹や富弼らが推進する新政にも関与します。嘉祐元年（1056年）には三司使に就任しましたが、開封に到着する前に枢密使に転じることとなります。

最後の功績

韓琦は嘉祐3年（1058年）に宰相に就任し、さまざまな政策を手掛けました。英宗の時代には魏国公に封じられ、神宗の时には司空や侍中として高い地位にありました。彼の影響力は大きく、王安石の新法に対しても反対の立場を取り続け、その信念を貫きました。名将としての評価も高く、国境の安定に寄与した功績はとても大きなものでした。

熙寧8年（1075年）、67歳で病没し、尚書令が追贈されるとともに「忠献」と評されました。また、徽宗の時代には魏郡王に追贈され、その子孫たちも官職を歴任するなど繁栄しました。

韓琦の生涯は、政治だけでなく、文学や文化面でものちに評価され続け、朱熹の『三朝名臣言行録』には韓琦に関する記述が全巻にわたりを含まれるなど、彼の思想や業績は長い間後世に影響を及ぼしています。

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