韻脚

韻脚の紹介

韻脚（いんきゃく）とは、古代ギリシア語やラテン語の詩におけるリズムを決定する基本的な単位です。また、詩脚や音歩と呼ばれることもあります。本稿では韻脚の種類やその構成要素について詳しく説明します。

韻脚の構成

韻脚は一定数の音節から構成され、複数の単語から成る場合もあれば、一つの単語だけで形成されることもあります。詩の韻脚は音楽的なリズムを生み出し、聴覚的な魅力を持たせます。例えばウィリアム・シェイクスピアの『Sonnet 18』では、次のように韻脚が配置されています。

```
Shall I // com-pare // thee to // a sum- // mer's day?
```

ここで、韻脚は太字部分が強いアクセントを示し、音節の組み合わせによって詩的な響きを形成しています。音節の長さや強さに依存してリズムが生まれるため、古代の詩においては特に重要な役割があります。

音節の長短

古代ギリシア語やラテン語では、音節は長さによって大きく二つに分けられます。長い音節（古希: μακρός）と短い音節（古希: βραχύς）の組み合わせが韻律を生成するのです。具体的には、以下の規則があります：

• - 長母音や二重母音を持つ音節は長音節と見なされます。
• - 子音で終わる閉音節は長くなります。
• - 短母音で終わる開音節は短音節とされます。

例えば、ウェルギリウスの『アエネーイス』では、音節の長短をふまえた構造が見受けられます。韻脚が複雑に組み合わさることで、詩的なリズムが形成されます。

音節の強弱変化

中世以降、ラテン語においては母音の長短の区別が失われ、強弱（高音・低音）による韻脚の構成が進みました。例えば「怒りの日」（Dies irae）の詩行は、トロカイオス（強弱脚）を繰り返し用いています。このように、古代ギリシア・ローマからの詩の形が発展を经过して、近代にも応用されています。

韻脚の種類

韻脚は、音節の数に基づきように多くの種類があります。下記にいくつかの韻脚を音節の数ごとに分類してみます。

2音節（Disyllables）

• - イアンボス（弱強格）

- 例: "To strive, to seek, to find, and not to yield."（アルフレッド・テニスン『ユリシーズ』）

• - トロカイオス（強弱格）

- 例: "Should you ask me, whence these stor-ies?"（ヘンリー・ワズワース・ロングフェロー『ハイアワサの歌』）

3音節（Trisyllables）

• - ダクテュロス（強弱弱格）

- 例: "This is the for-est prim-ev-al. The mur-muring pines and the hemlocks"（ロングフェロー『エヴァンジェリン』）

• - アナパイストス（弱弱強格）

- 例: "The Assyrian came down like a wolf on the fold"（ジョージ・ゴードン・バイロン『ゼンナケリブの破滅』）

4音節（Tetrasyllables）

サッポーやアルカイオスの抒情詩は、その韻律が複雑に見えますが、実は簡略な組み合わせで表現可能です。アリストテレスの説明によれば、特定の韻脚を文の特定の位置に使うのが望ましいとされています。

結論

韻脚は詩における重要なリズムの基盤を提供し、その構成要素によって様々な音楽的な質感を生み出します。古典詩から近代詩に至るまで、その影響は非常に大きく、これからも多くの詩人たちによって受け継がれていくことでしょう。

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