額田部蘇提売

額田部蘇提売（ぬかたべ の そてめ）

プロフィール

額田部蘇提売は、奈良時代に活躍した女性で、生没年は不明です。彼女は、現在の島根県益田市にあたる石見国美濃郡の出身です。

生涯

『続日本紀』によれば、彼女は長らく寡婦として生活していました。その間、節義を守り、倹約に努めて財を蓄え、困窮している人々へ頻繁に施しを行っていたと記されています。彼女の慈悲深い行いによって救われた人々は多く、その善行は広く知れ渡りました。

額田部蘇提売の評判は、時の天皇である称徳天皇の耳にも届き、その徳を称えられました。神護景雲2年（768年）2月には、彼女の功績を称え、終身にわたり田租が免除されるという恩恵を受けました。この出来事は、当時の社会において、女性の善行が国家によって認められた貴重な事例と言えるでしょう。

人物像

額田部蘇提売は、夫を亡くした悲しみを乗り越え、自らの力で生活を立て、さらに困っている人々を助けるという、非常に強い意志と慈悲心を持った女性でした。彼女の生き方は、現代においても多くの示唆を与えてくれます。

関連人物

額田部氏の一族であり、以下のような人々との関連が考えられます。

額田部
額田部氏
紀音那
家原音那
四比信紗
他田舎人千世売
直玉主売

参考文献

『続日本紀』4　新日本古典文学大系15　岩波書店、1995年
* 『続日本紀』全現代語訳（中）、講談社学術文庫、宇治谷孟：訳、1992年

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