風早八十二

風早八十二 (かざはや やそじ)

風早八十二は1899年8月10日（戸籍上は8月24日）に生まれ、1989年6月18日に逝去した日本の法学者であり、弁護士でもあります。彼の専門分野は刑事法と社会政策であり、また1949年から1952年にかけて衆議院議員としても活躍しました。岡山県に生まれ、1922年に東京帝国大学法学部を卒業し、その後、法学者としての道を歩み始めました。

学問への貢献

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風早八十二は、罪刑法定主義の復活を早くから唱えたことで、日本の刑事法学において重要な役割を果たしました。特に、ベッカリーアの名著『犯罪と刑罰』を完訳したことで知られています。この翻訳は、1929年に刀江書院から出版され、その後、1938年に岩波文庫の一冊として再刊されました。戦後の1959年には、彼の妻である風早二葉との共訳によって改訂版が刊行されました。

略歴

戦前の活動

風早は、戦前に新派刑法学の巨星・牧野英一の体制の下で助手を務めましたが、次第に独自の思想を育んでいきます。1924年から1926年まで、フランス、ドイツ、イタリア、イギリスに留学し、その後は九州帝国大学で教授として教鞭を取りますが、1930年に発表した論考『治安維持法』が発禁となり、結果的に複数の大学から追放されることになりました。このような圧力の中で、日本共産党との関わりが深まり、彼は非合法活動にも関与しました。

1935年には出所後、講座派の一員として社会政策の理論研究に専念し、その中でも特に労働問題の研究を行いました。昭和研究会では革新官僚とともに国内の革新政策を理論的に支える活動を行いました。

戦後の復活

第二次世界大戦後、風早は再び活動の場を広げ、1945年に社会科学研究所を設立しました。続いて、1946年には民主主義科学者協会の創立に寄与し、1948年には日本学術会議の会員に選ばれた後、同年に衆議院議員にも当選しました。彼の活動は、戦前の経験を踏まえた憲法擁護や治安法研究に注力されました。特に、彼の連載『牧野法学への総批判』は多くの影響を与え、法学界における彼の立場を確立しました。

人物

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風早は3度の結婚歴がありますが、最初の妻との死別や、その後の2回の結婚と離婚を経て、1989年に亡くなるまで独身で過ごしました。それぞれの結婚相手との関係は複雑でしたが、彼にとって家族は生活の一部であり続けたようです。

主な著作

風早は著作においても精力的で、特に以下のような著書が評価されています。

• - 『治安維持法』 （日本評論社、1930年）
• - 『財政史』 （岩波書店、1932年）
• - 『労働の理論と政策』 （時潮社、1938年）
• - 『日本社会政策の理論』 （時潮社、1949年）

また、彼は翻訳者としても活動し、特にベッカリーアの『犯罪と刑罰』の翻訳が有名です。

まとめ

風早八十二は、日本の法学界において重要な影響を与えた人物であり、その研究や著作、さらには政治活動を通じて、民主主義や法の下での市民の権利擁護に寄与しました。彼の功績は、今日の法学においても多くの人々に引き継がれています。

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