飛鳥井雅量

飛鳥井雅量（あすかい まさかず）は、戦国時代の公家であり、歌人、そして蹴鞠の道に秀でた人物です。羽林家である飛鳥井家に生まれ、代々、和歌と蹴鞠を家業としていました。

生い立ちと家柄

飛鳥井家は、藤原北家難波家の流れを汲む家柄で、雅量の祖父である飛鳥井雅康や、大伯父の雅親は、歌人、書家として名を馳せていました。このような文化的背景の中で、雅量もまた、和歌や蹴鞠の才能を開花させていったと考えられます。

官位と経歴

雅量は、享禄3年（1530年）に従五位下に叙せられ、同5年（1532年）には侍従に任じられました。その後、従四位下少将にまで昇進し、父祖と同様に、家伝の和歌や蹴鞠に励みました。後に彼は入道し、曽衣（そえ）と号しました。

土佐国への下向と蹴鞠の指導

天文年間、京の都が戦乱に見舞われると、雅量は戦火を避けて土佐国へと下向しました。そこで、親族である一条家の賓客となり、家門五家の一人に列せられました。永禄6年（1563年）には、津野定勝に鞠道八足の図を与え、蹴鞠の秘儀を伝授しました。一条氏が滅亡した後は、岡豊城に招かれ、長宗我部元親やその子弟に蹴鞠の指導を行いました。

系譜

父：飛鳥井頼孝
母：不詳
妻：不詳
男子：虎熊丸

人物

飛鳥井雅量は、歌道と蹴鞠という二つの文化的な側面で才能を発揮した人物でした。特に、戦乱の時代に都を離れ、地方に文化を広めた功績は大きいと言えるでしょう。長宗我部元親のような戦国大名に蹴鞠を教えたことは、当時の文化交流の一つの形を示すものとして興味深いです。

まとめ

飛鳥井雅量は、戦国時代の激動の中で、公家としての身分を保ちながら、歌人、蹴鞠の道家として生きた人物です。彼の足跡は、当時の文化や社会情勢を理解する上で貴重な手がかりとなります。

参考文献

* 『高知県人名事典』高知市民図書館、1970年。

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