養老寺

養老寺について

養老寺（ようろうじ）は、岐阜県養老郡養老町に位置する真宗大谷派の寺院です。この寺の山号は滝寿山であり、源丞内にまつわる「養老孝子伝説」がその名の由来とされています。養老寺には不老長寿をもたらす御利益があると信じられています。寺院の本尊は十一面千手観世音菩薩であり、信仰の対象として多くの人々が訪れます。また、西美濃三十三霊場の第25番札所でもあります。寺の境内には、滝守不動明王堂があり、ここは養老の滝を修験の場として利用しています。

沿革

養老寺の起源は奈良時代にまで遡ります。伝説によると、元正天皇の御代に源丞内がこの寺を建立したとされています。当初は法相宗に属していましたが、天平年間には養老山麓が修業地として認識され、大規模な伽藍が建設されました。寺院の最初の位置は今の養老町高林地区から約1km東南にありました。

しかし、永禄年間に入ると、織田信長の軍によりこの寺は焼失してしまいます。その後、天正年間に伊藤祐盛が小堂として再建し、1607年には美濃国高須藩の藩主である徳永寿昌の支援を受けて本堂が再建されます。この時期に浄土真宗に改宗しました。

文化財

養老寺には多くの重要文化財が存在します。まず、木造の千手観音立像は鎌倉時代のもので、その造形は寄木造で制作されています。また、鎌倉時代に寄進された太刀（銘国光）や、平安時代の剣（銘不明）も保管されています。さらに、岐阜県指定の重要文化財として、不動明王立像があります。この立像は鎌倉時代の木造作品で、その美しさや歴史的価値は高く評価されています。

交通アクセス

養老寺へのアクセスは、養老鉄道の養老線利用が便利です。養老駅からは徒歩で約20分ほどで到着します。美しい自然に囲まれた道を歩きながら、訪問者は心を和ませることができるでしょう。

その他の情報

養老寺の境内には、養老孝子伝説の主人公である源丞内の墓があります。また、毎年3月の春分の日には、菊水泉の水を滝守不動明王に奉納し、養老の滝の安全が祈願されます。この伝説は鎌倉時代の著書である古今著聞集に登場し、親孝行の重要性を教える物語として長年にわたり人々に語り継がれています。

興味深いことに、滝守不動明王堂の不動明王は鯰に乗って現れたと伝えられています。参拝者は鯰を食べてはいけないという言い伝えや、滝に入ることが罰を招くといった伝承もあります。

以上が養老寺の概要です。歴史や文化が息づくこの寺院には、多くの訪問者がその神秘に触れるために足を運んでいます。

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