餓狼伝説スペシャル

餓狼伝説スペシャル:復讐と野望の格闘ゲーム



1993年9月16日、SNKよりアーケード向け2D対戦型格闘ゲーム餓狼伝説スペシャル』(欧米タイトル:Fatal Fury Special)が登場しました。MVS基板を採用し、150メガビットという大容量のデータで展開された本作は、シリーズ前々作で一度倒されたと思われていたギース・ハワードが生き延びていたという衝撃的な事実から物語が始まります。

プレイヤーは15人の個性豊かなキャラクターから1人を選び、テリー・ボガードアンディ・ボガード兄弟によるギースへの復讐、そしてギース亡き後にサウスタウンの暗黒街を牛耳るヴォルフガング・クラウザーに対するギースの復讐劇といった、複数のストーリーが交錯する世界を舞台に、激しいバトルを繰り広げます。

開発陣と受賞歴



本作はSNKが開発し、同社創業者である川崎英吉氏がプロデューサーを務めました。シリーズ前作に引き続き塚本高史氏がメインプランナーを担当し、音楽は清水敏夫氏、山田泰正氏、北村芳彦氏ら豪華メンバーが手掛けました。キャラクターイラストは森気楼氏と白井影二氏が担当し、そのイラストは兵庫県警察の少年犯罪防止運動ポスターにも使用されるなど、高い評価を得ました。

アーケード版は、1993年度の第7回ゲーメスト大賞で、大賞2位、ベスト対戦格闘賞2位、ベストグラフィック賞1位、ベスト演出賞2位、ベストVGM賞2位を受賞するなど、その高い完成度が認められました。

ゲームシステムと特徴



餓狼伝説スペシャル』は、前作『餓狼伝説2』をベースに、数々の改良が加えられた作品です。キャラクターの性能調整、連続技の導入、ライン移動攻撃の変更など、対戦をより深く楽しめるよう、システム面での強化が図られています。また、ゲームテンポの向上も目指し、ボーナスステージは削除されました。1ラウンドの試合時間も90秒から60秒に短縮され、ヒットストップ時間や勝利ポーズに入るまでの時間も短縮されるなど、よりスピーディーな対戦が実現しています。

操作キャラクターは前作の8人に加え、前作ではCPU専用だった三闘士(ビリー・カーンアクセル・ホークローレンス・ブラッド)とヴォルフガング・クラウザーがプレイアブルキャラクターとして参戦。さらに初代『餓狼伝説』からのキャラクター、ダック・キングタン・フー・ルー、そしてギース・ハワードも加わり、合計15人のキャラクターが選択可能となりました。また、特定の条件をクリアすると、『龍虎の拳』シリーズのリョウ・サカザキが隠しキャラクターとして登場し、彼との対戦も楽しめます。

多彩な移植版



アーケード版の成功を受け、『餓狼伝説スペシャル』は数多くの家庭用ゲーム機へ移植されました。ネオジオX68000スーパーファミコンネオジオCD、ゲームギアPCエンジンアーケードカードCD-ROM²、メガCD、FM-TOWNSなど、当時主流だったプラットフォームを網羅しています。各移植版では、オリジナル版からの変更点や追加要素も存在し、それぞれの機種の特徴を活かしたアレンジが加えられています。

さらに、近年ではPlayStation 2餓狼伝説 バトルアーカイブズ 1』、Xbox 360 Xbox Live Arcade、Wii バーチャルコンソール、そしてPlayStation 4|PlayStation_4Nintendo SwitchXbox OneのアケアカNEOGEOシリーズなど、様々なプラットフォームで配信され、長きに渡って多くのプレイヤーに親しまれています。

キャラクター紹介



本作には、テリー・ボガードアンディ・ボガードジョー・ヒガシ、ビッグ・ベア、チン・シンザン不知火舞キム・カッファン山田十平衛ダック・キングタン・フー・ルービリー・カーンアクセル・ホークローレンス・ブラッドギース・ハワードヴォルフガング・クラウザーなど、個性豊かなキャラクターが登場します。それぞれのキャラクターには詳細なプロフィールが設定されており、年齢、誕生日、血液型、出身地、身長、体重といった情報に加え、個性的な必殺技やバックストーリーが描かれています。

音楽



餓狼伝説スペシャル』の音楽も魅力の一つです。各キャラクターのテーマ曲はもちろん、ステージBGMも個性的で、ゲームの雰囲気を盛り上げています。オリジナルサウンドトラックが発売された他、スーパーファミコン版ではゲーム雑誌の付録CDとして、アレンジされたサウンドトラックがリリースされました。

まとめ



餓狼伝説スペシャル』は、その革新的なゲームシステム、魅力的なキャラクター、そして高い完成度によって、対戦格闘ゲームの歴史に大きな足跡を残した作品です。長年に渡って愛され続けている理由を、ぜひプレイして確かめてみてください。

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