首都高速2号目黒線

首都高速2号目黒線

首都高速道路の路線の一つである2号目黒線は、東京都港区の一ノ橋ジャンクション（JCT）で都心環状線から南へ分岐し、品川区荏原・戸越にある戸越出入口に至る、全長約6キロメートルの区間を指します。

正式な路線名である「都道首都高速2号線」は、これよりも広い区間を指しますが、一般的には一ノ橋JCTから戸越出入口までが2号目黒線と呼ばれています。路線番号は「2」が割り当てられています。

経路と構造

2号目黒線は、一ノ橋JCTから天現寺出入口付近まで、都心環状線が古川上部を進んできたルートを引き継ぎ、引き続き古川の上を高架構造で南下します。一ノ橋JCT周辺の計画段階では、高速道路の予定地が民有地にかかる部分があったため、高架橋を上下2段構造とすることで用地買収を大幅に削減する工夫がなされました。

天現寺出入口付近から旧白金三光町付近にかけては民有地を取得した区間となります。その先は、外苑西通りを経て国立科学博物館附属自然教育園の近くを通過します。この貴重な自然環境への影響を最小限に抑えるため、高速道路の線形は最も西側に寄せられました。また、当初園内を南北に貫く計画だった外苑西通りも、高速道路の下をトンネルで通過する構造に変更されました。自然教育園に架かる区間では、文部当局の要請により、樹木だけでなく、草や苔に至るまで移植が行われています。この区間の高架橋の照明は、景観への配慮からか、通常のポール形式ではなく、高欄に照明器具が設置されています。

目黒駅の東側で目黒通りを跨ぐ部分は、目黒高架橋と呼ばれています。この橋は、道路下の街路交通を妨げないよう支保工を使わずに建設できるプレキャスト・ブロック工法という先進的な技術を採用したプレストレスト・コンクリート3径間連続箱桁橋です。その高い技術力が評価され、首都高速道路公団が設立された初年度である1966年度に土木学会田中賞作品賞を受賞しています。

さらに南下し、目黒駅と五反田駅の間で山手線を越えます。西五反田6丁目付近で、終点近くとなり、直進して第二京浜に接続する戸越出入口と、南西方向へ分岐して中原街道に接続する荏原出入口に分かれます。路線としての正式な終点は戸越出入口であり、荏原出口へのランプウェイは、戸越出入口への本線を跨ぐ構造となっています。

特徴と利用状況

2号目黒線は、1号上野線と同様に、都心環状線以外の首都高速道路とは直接接続しない路線です（中央環状線とは交差しますが、接続していません）。この構造のためか、首都高速の路線の中では交通量が比較的少なく、慢性的な渋滞は滅多に発生しません。

また、本路線内には戸越・荏原方面以外の途中の出入口が存在しないため、本路線のみを利用して乗り降りすることはできません。

さらに、2号目黒線はその全線が週末の大型貨物乗入規制の基準となる環七通りよりも内側に位置しており、終点の戸越・荏原出入口も規制区域内にあるため、土曜日の午後10時から日曜日の午前7時までの間は、全線にわたり大型貨物自動車の通行が禁止されています。

路線名に「目黒」と含まれていますが、実際に目黒区内を通過することはありません。

歴史

2号目黒線の建設は、日本道路公団による一般有料道路「東京都市高速道路 都道銀座大崎線」の一部として、1959年（昭和34年）2月26日に工事が始まりました。その後、首都高速道路公団の設立に伴い事業が引き継がれ、1967年（昭和42年）9月30日に一ノ橋JCTから戸越出入口までの区間が開通し、これにより2号目黒線は全線開通となりました。

将来計画

2号線については、延伸計画が存在します。東京都市計画審議会の高速道路調査特別委員会は、1968年までに第三京浜道路（国道466号）と接続する路線の審議を行い、「2号線延伸」として地域高規格道路の候補路線に指定しています。しかし、現時点では延伸の方向性を含め、具体的な計画は決定していません。現在計画が進められている東京外かく環状道路が第三京浜道路と交差する方針ですが、外環のルート（多摩川の北側か南側か）が未確定のため、それが確定しないと2号線延伸計画自体の作成が難しいのではないか、という指摘もあります。

交通量

過去には、道路交通センサスに基づいた24時間交通量調査が実施されています。令和2年度の調査は新型コロナウイルスの影響で延期されました。

（本記事は「首都高速2号目黒線」に相当する区間について解説しています）

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