香春神社

香春神社の詳細

香春神社（かわらじんじゃ）は、福岡県田川郡香春町に位置する名高い神社です。この神社は、延喜式神名帳に名を連ねる「式内小社」として知られており、かつては県社という社格を持っていました。

歴史的背景

香春神社は、豊前国内に存在する六座の神社のうち三座がここにあり、残る三座は宇佐神宮内にあります。具体的には、辛国息長大姫大目神社、忍骨神社、豊比咩神社が該当します。これらの神社は、かつて香春三山（なかでも一ノ岳、二ノ岳、三ノ岳）の頂上に位置していましたが、和銅2年（709年）に現在の位置に移設されています。古くからこの神社は宇佐神宮と並んで豊前国を代表する存在だったのです。

特に、辛国息長大姫大目神社と忍骨神社の神階が正一位に昇格したのは、承和10年（843年）であり、これは奈良の大神神社や石上神宮、大和神社が正一位を得た年よりも早いものです。このように、香春神社は平安時代初期から非常に高い社格を持っており、古文書の中には香春神社を豊前国の一宮として記したものも存在します。長らく宮司の役割を担ってきたのは、赤染氏と鶴賀氏です。

祭神とその関係

香春神社には主祭神として、辛国息長大姫大自命、忍骨命、豊比売命の三神が祀られています。『日本三代実録』では、豊比売命と辛国息長大姫大目命が同一とされていることが注目されます。

社前には祭神に関する興味深い記録があります。第一座の辛国息長大姫大自命は、古代に唐土から渡来し、崇神天皇の代に香春の地に鎮まったとされ、第二座の忍骨命は天照大神の直系の神格を持っているとされています。また、豊比売命は神武天皇の外祖母であり、住吉大明神の母神として知られています。このように、香春神社の祭神は古代の日本の神々の重要な関連性に結びついており、特に辛国息長大姫大自命と神功皇后との関連性については、古くから多くの議論が交わされています。神功皇后は三韓征伐で有名であり、彼女の母である息長帯比売命は、朝鮮半島に関連しているとも考えられています。

神階と神紋

香春神社の各神社に対する神階は、辛国息長大姫大自神社と忍骨神社が正一位、豊比咩神社が正二位という高い地位を保持しています。神紋としては「三階菱」があり、小倉藩主小笠原氏から受け継いだとされる説があります。

建造物と文化財

香春神社の本殿は神明流造で、重要な文化財として町指定のものがいくつかあります。これには香春神社に関する文書や曼荼羅、さらには本殿・拝殿、東回廊、石垣などが含まれます。

主な行事とアクセス

香春神社の主な行事のひとつとして、毎年5月5日に行われる例祭があります。交通アクセスは、JR九州日田彦山線の香春駅から徒歩で15分、また九州自動車道小倉南インターチェンジからは約19km、東九州自動車道の行橋インターチェンジからは約13.5kmの距離に位置しています。

このように、香春神社は長い歴史をもつ神社であり、地域文化の発展に寄与してきた重要な存在です。多くの人々がこの神社を訪れ、神々に祈りを捧げています。

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