馬島 (福岡県)

馬島（うましま）

馬島は福岡県北九州市小倉北区に位置する有人島で、山々が連なる丘陵が特徴的な台地状の地形を持っています。標高は約20メートルで、面積はおよそ0.26平方キロメートルです。この島は離島振興法における離島振興対策実施地域として指定されています。また、行政区分としての「馬島」は小倉北区内の大字に該当し、麓には和合良島や片島といった無人島が存在します。郵便番号は802-0092です。

地理

馬島は北九州市の中心部から北北西に約10キロメートル離れ、若松区の響灘埋立地の海岸部から北東に約3キロメートル、山口県下関市の彦島北西端からは北西に約2.5キロメートルの位置にあります。島の北東には六連島があり、おおよそ300メートルの距離です。また、馬島の北西には藍島があり、こちらには渡船でアクセスすることが可能です。島の周りには無人島も点在しており、沖合の南西には片島、小さな無人島もあります。以前は金崎島という別の島が東側にありましたが、現在は砂州が発展し馬島と繋がっています。地質は古第三紀層からなり、化石や土器などの貴重な歴史的遺物も発見されています。

馬島はとても小規模な島で、居住者は28人、世帯数は11世帯という人口を有しています（2020年令和2年国勢調査による）。福岡県内の有人島の中では、面積及び人口ともに最も小さい島です。南部には漁港があり、ここからは本土や藍島への渡船便が運航されています。ただし、商業施設は皆無で、医療を受けられるのは北九州市立馬島診療所のみです。公共交通機関も整っていないため、集落内には簡素な道路が放射状に伸びていますが、海岸沿いを歩くことは可能です。かつては米町小学校と城南中学校の分校が設置されていましたが、いずれも閉校となり、現在は本土に通う必要があります。水道の供給は下関市水道局が行っています。

歴史

「馬島」という名称の由来にはいくつかの説があります。一つは、金崎島との繋がりによって馬の形に見えるからだという説、またはかつて馬の牧場が存在していたこと、さらに船に乗った馬の遭難があったと言われています。歴史的には、江戸時代に小倉藩により住民が移住させられた経緯があります。1889年には町村制が施行され、藍島や周辺の土地と共に施行されています。この後も様々な市町村の合併を経て、現在の北九州市小倉北区に至るまで多くの変遷がありました。

産業

馬島は半農半漁の形態で、主に漁業が収入源となっています。また、特産物としてワケギの栽培も行われています。島内では地元の素材を生かした農業が行われている一方、漁業も盛んです。

猫の島

馬島は猫の多い島としても知られており、多くの猫が生活しています。特に2014年には地域猫として90匹ほどの猫に対して避妊手術が施されました。しかし、その後、猫の不審死が相次ぎ、猫の数は30匹程度に減少しています。この問題は避妊手術を実施した団体によって刑事事件として告発されるなど、地域の問題として大きく取り上げられました。

交通

馬島へは北九州市渡船事業所が運航する渡船を利用するのが一般的です。小倉渡場から馬島、藍島へ行くことができます。渡船のダイヤは停泊時間が3分とされているものの、実際には乗客の乗降が終わり次第出港するため、注意が必要です。島内にはバスやタクシーは存在せず、そのため移動は徒歩に依存しています。

馬島は独自の文化を持ち、美しい自然や豊かな歴史を有する魅力あふれる場所です。訪れる人々には、その特異な環境と地元の人々との触れ合いを通じ、多様な体験を提供してくれることでしょう。

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