馬蘭駅

馬蘭駅（ばらんえき）

馬蘭駅は、かつて台湾台東県台東市に位置していた台湾鉄路管理局（台鉄）台東線の廃駅です。1922年に開業し、長らく地域の交通を支えてきましたが、2001年に惜しまれつつも廃止されました。現在、その跡地は観光施設として整備され、当時の面影を今に伝えています。

歴史

馬蘭駅は、1922年4月20日に「馬蘭驛」という名称で開業しました。開業当初は、地域住民の移動手段として、また、周辺の産業を支えるための貨物輸送拠点として重要な役割を果たしました。1982年5月には駅舎の建て替えが行われ、より近代的な駅舎へと生まれ変わりました。

しかし、2001年、台東線の線路付け替えと台東新駅（現在の台東駅）の開業に伴い、馬蘭駅は大きな転換期を迎えます。6月1日に旅客営業を終了し、同年8月1日には、台東新駅と旧台東駅間の路線が廃止されたため、馬蘭駅もその歴史に幕を閉じました。


廃止後、旧線跡は自転車道として整備され、地域住民や観光客の憩いの場となっています。また、馬蘭駅の駅舎やホームなどの施設は、かつての姿をそのまま残しており、鉄道ファンや歴史愛好家にとって貴重な観光スポットとなっています。

駅構造

馬蘭駅は、島式ホーム1面2線の地上駅でした。島式ホームとは、線路に挟まれたホームのことを指し、2方向の列車が利用できる構造です。

利用状況

廃止前は、台東糖廠や中油油庫への貨物輸送が盛んに行われていました。特に、砂糖や石油製品の輸送は、地域の産業経済に大きく貢献しました。旅客輸送も一定数ありましたが、路線変更により旅客輸送は台東新駅に移行することになりました。

駅周辺

馬蘭駅周辺には、以下の施設がありました。

台東糖廠：かつて砂糖を製造していた工場で、地域の重要な産業拠点でした。
中油台東油庫：石油製品を貯蔵する施設で、地域のエネルギー供給を担っていました。

隣の駅

台湾鉄路管理局

台東線（旧線）：台東新駅 - 馬蘭駅 - 台東旧駅
台東線（改軌前の旧線）：檳榔駅 - 馬蘭駅 - 台東旧駅

まとめ

馬蘭駅は、台湾の鉄道史において、重要な役割を果たした駅の一つです。旅客輸送、貨物輸送の両面で活躍し、地域の経済と人々の生活を支えてきました。現在は、その役目を終えましたが、歴史を伝える観光施設として、多くの人々に親しまれています。廃線跡の自転車道とともに、馬蘭駅は今もなお、地域の歴史と文化を伝える貴重な遺産として存在しています。

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