檳榔駅

檳榔駅（びんろうえき）

台湾鉄路管理局台東線にかつて存在した檳榔駅は、台東県卑南郷に位置していました。1982年の台東線拓寬計画（東拓）によって線路が変更されるまで、この駅は重要な役割を果たしていました。特に、急勾配区間に設置されたスイッチバック駅としての特徴が際立っていました。

歴史

檳榔駅の歴史は、1922年4月20日に「日奈敷乗降場」として開業したことに始まります。駅名の由来は、この地にあった原住民部落の名称「ピナシキ（檳榔樹格）」に由来します。その後、1943年に停車場に昇格し、戦後には現在の「檳榔駅」に改称されました。しかし、1982年6月27日、鹿野駅から馬蘭駅間の新線への切り替えに伴い、檳榔駅は廃止されました。

それでも、その歴史的価値が認められ、2005年9月29日には、県の文化資産保存法に基づき、歴史建築として指定されました。これにより、駅舎や関連施設が保存され、過去の鉄道の歴史を今に伝える貴重な遺産となっています。

駅構造

檳榔駅は、スイッチバック式の地上駅でした。1000分の21（21パーミル）という急な勾配の途中に設置されたため、列車が安全に運行するためにスイッチバック構造が採用されました。駅舎や線路は既に撤去されていますが、日本統治時代の木造駅舎、倉庫、給水タンクなどが残存しており、当時の雰囲気を色濃く残しています。

駅周辺

駅の周辺には、以下の施設があります。

賓朗国小
花東公路（台9線）
今日熱帯蘭園

かつては鉄道輸送の拠点であったこの地も、現在では静かな地域となっています。しかし、その歴史的価値は失われることなく、保存活動を通じて後世に伝えられています。

隣の駅

台東線（東拓前の旧線）における、檳榔駅の隣駅は以下の通りでした。

東成駅
馬蘭駅

出典

檳榔站容貌 （繁体字中国語）
檳榔火車站 （繁体字中国語）
賓朗(檳榔)舊火車站 臺東縣政府 臺東觀光旅遊網 （繁体字中国語）

結論

檳榔駅は、台湾の鉄道史において重要な役割を果たした駅の一つです。そのスイッチバック構造や、日本統治時代の建築遺産は、当時の鉄道技術と文化を今に伝える貴重な存在です。廃駅となった今でも、その歴史的価値は失われることなく、訪れる人々に過去の鉄道の記憶を語りかけています。その姿は、単なる廃駅ではなく、台湾の鉄道史における重要なモニュメントとして、これからも保存・継承されていくでしょう。

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