高三郷勝義

元大相撲力士 高三郷勝義の軌跡

1990年3月30日、長野県安曇野市に生まれた高三郷勝義（本名：和木勝義）は、身長184cm、体重149.5kgの恵まれた体格を持つ元大相撲力士です。東関部屋に所属し、最高位は西幕下16枚目（2016年7月場所）にまで上り詰めました。

4兄弟の次男、そして相撲との出会い

男4兄弟の次男として育った高三郷は、兄弟全員が180cmを超える長身で知られていました。特に彼は大柄で、中学3年生時には既に身長180cm、体重120kgという体格を誇っていました。両親が共働きだったため、料理好きだった彼は自ら夕食を作り、1日8合もの米を炊いていたそうです。

中学時代は柔道を経験しましたが、相撲には全く興味がなく、横綱の名前すら知らなかったと言います。しかし、母親の知人が東関部屋の後援会員だった縁から、小学校高学年の頃から勧誘を受けていました。当初は断っていたものの、2004年9月場所、上京して部屋でちゃんこを食べている際に、大人たちに囲まれ、そのまま入門の面談に。定時制高校に通いながら仕事に就こうと考えていた彼の進路は、先代東関（元関脇・高見山）の「お相撲さんになればお金もいっぱい稼げるし、女の子にもモテるぞ。やるか？」という誘いによって、突然変わりました。安曇野市から初の関取を目指し、入門を決意したのです。

序ノ口から幕下への道のり、そして苦悩

2005年3月場所に初土俵を踏んだ高三郷。同期には若ノ鵬や大道、後に同部屋となる飛翔富士や白虎といった力士がいました。しかし、序ノ口通過に4場所、序二段通過に3年を要するなど、出世は遅々として進みませんでした。序二段では2回に渡り7戦全敗を喫し、特に2007年3月場所の全敗に続き、翌5月場所では1番相撲から4連敗、2場所に渡り11連敗という苦しい時期もありました。同期生が次々と引退し、弟弟子も定着せず、雑用係の日々を送る中で、故郷に帰ることも考えたと言います。しかし、入門から4年が経過した2009年3月場所、ついに三段目に昇進。初めて雪駄を履いた時の「シャリシャリした音」を、今でも嬉しそうに語るほど、この昇進は彼にとって大きな転機となりました。同時に、四股名を本名の「和木」から「高三郷」に改名しました。

転機と成長

2012年12月、中村部屋の閉鎖に伴い、飛翔富士や白虎らが東関部屋に移籍。高三郷も長きに渡る雑用係から解放され、稽古に集中できる環境が整いました。同期生との稽古を通して「同期には負けたくない」という気持ちが高まり、2013年3月場所で三段目通過を果たします。幕下昇進、そして博多帯を締める喜びを噛み締めた高三郷は、2014年頃からは部屋付の大山（元幕内・大飛）の勧めで、巡業での初切を務めるようになりました。

2016年5月場所では西幕下39枚目で6勝1敗の好成績を収め、翌7月場所には西幕下16枚目へ昇進。しかし、この場所では3勝4敗で幕を閉じました。2017年4月には、春巡業松本場所で地元・長野県のご当地力士として人気を集め、稽古では8連勝を含む20番をこなすなど、関取への道を着実に歩んでいました。

引退後

2018年5月場所を最後に引退した高三郷は、現在は巡業の会場設営を担う会社に就職。相撲界を支える立場として、新たな道を歩んでいます。彼の相撲人生は、決して順風満帆ではありませんでしたが、努力と持ち前の明るさで、多くの人の記憶に残る力士となりました。

主な成績

通算成績：275勝271敗（79場所）

改名歴

和木 勝義（わき かつよし）：2005年3月場所 - 2009年3月場所
高三郷 勝義（たかみさと かつよし）：2009年5月場所 - 2018年5月場所

関連情報

元高三郷 勝義（和木勝義） (@CKbokunotonari) - X（旧Twitter）
* 和木 勝義 (katuyosi.waki) - Facebook

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