高免町

鹿児島市高免町（こうめんちょう）

高免町は、鹿児島県鹿児島市に属する町で、桜島の東部に位置しています。かつては大隅国大隅郡に属し、桜島郷の一部でした。郵便番号は891-1402、2020年時点での人口は150人、世帯数は93世帯と小規模な集落です。

地理

高免町は桜島の東部に位置し、西は桜島白浜町、東から南にかけては黒神町に隣接しています。海岸沿いには鹿児島県道26号線が走り、集落は急峻な崖と鹿児島湾の間に形成されています。崖の上には台地が広がっており、安永大噴火によって形成された溶岩流が固化してできた安永溶岩が町域を覆っています。

海岸沿いにはアコウやタブノキの樹林がみられ、園山地区を中心に文明年間の噴火による溶岩地帯ではクズやタブノキ、安永年間の噴火による溶岩地帯では照葉樹低木林とクロマツの植林地が広がっています。

町内にはかつて鹿児島市立高免小学校がありましたが、児童数の減少により1993年3月末に休校となりました。また、高免町全域が「高免辺地」として指定されています。

自然

高免町は霧島錦江湾国立公園内に位置しており、その全域が特別区域や特別保護地区、第1種から第3種の特別地域、普通地域に指定されています。これは、桜島の自然環境を保護するための措置です。

歴史

高免という地名は江戸時代から存在し、「向面」とも記されていました。江戸時代には大隅国大隅郡桜島郷の一部であり、村高は時代によって変動しました。安永8年（1779年）の安永大噴火では、高免村と古里村を結ぶ線上に火口が出現し、集落は火山弾によって焼失しました。住民は周辺地域へ避難し、幸い死者は出ませんでした。

この噴火によって海底が隆起し、安永9年までに8つの島が出現しました。そのうち4つの島は現存しており、安永諸島と呼ばれています。

1887年（明治20年）に大隅郡が南北に分割され、高免村は北[[大隅郡]]の所属となりました。1889年（明治22年）には町村制施行により、周辺の村々と合併して東[[桜島村]]となり、高免は東[[桜島村]]の大字となりました。1897年（明治30年）には北[[大隅郡]]が鹿児島郡に統合され、東[[桜島村]]も鹿児島郡に属することとなりました。

1914年（大正3年）の桜島大噴火では、高免の住民は事前に避難し、犠牲者は出ませんでした。噴火後、高免に設置されていた小学校は授業を再開し、一部の住民は種子島やその他の地域へ移住しました。

1950年（昭和25年）には東[[桜島村]]が鹿児島市に編入され、同年、大字高免は鹿児島市の町「高免町」となりました。この頃、高免と他の集落を結ぶ交通手段として仕立船がありましたが、桜島一周道路の建設やバスの運行開始に伴い、航路は廃止されました。

1988年（昭和63年）には局地豪雨による崖崩れが発生し、死者も出ています。

人口

1995年以降の人口は減少傾向にあります。

施設

教育

鹿児島市立高免小学校（1993年3月末に休校）

寺社

若宮神社

交通

高免町の海岸沿いには鹿児島県道26号線が通っています。浦之前港と新島を結ぶ行政連絡船が運航しており、島へのアクセスを担っています。

道路

鹿児島県道26号桜島港黒神線

港湾

桜島港
園山地区（避難港）
浦之前地区（避難港）
高免地区（避難港）

行政連絡船

しんじま丸：浦之前港 - 新島

路線バス

* 鹿児島市交通局（桜島代替線）：後平 - 高免 - 高免小学校前 - 桜島新町 - 湯之浜 - 西園山 - 東園山

高免小学校について

高免小学校は1902年に宮原小学校の分教場として開設され、1914年に独立しました。1989年時点では児童数が11名と小規模でしたが、1993年に休校となりました。

まとめ

高免町は、桜島の東部に位置する自然豊かな町です。安永大噴火による地形や植生が特徴で、霧島錦江湾国立公園の一部として保護されています。歴史的には噴火の影響を大きく受けながらも、住民は災害を乗り越えてきました。現在は小規模な集落となっていますが、美しい自然と静かな環境が保たれています。

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