高崎 (軽質油運搬艦)

高崎（たかさき）

高崎は、大日本帝国海軍に所属する給油艦で、洲埼型給油艦の2番艦として形作られました。艦名は島根県の隠岐西ノ島にある岬から取られたという説と、対馬舟志湾に存在する高崎鼻に由来するという二つの説が存在します。これは、艦の名前に込められた意味や歴史的背景を考える上でも興味深いポイントです。

艦歴

高崎は1940年度の「マル臨計画」の一環として、三菱重工業の横浜船渠で建造され、1943年9月2日に進水しました。進水後すぐに横須賀鎮守府に籍を置き、海軍省の付属艦としての任務に就きました。高崎の運命は、艦が竣工してからの行動が断片的にしか記録されていないため、明確には理解されていません。

その後、高崎は門司に回航され、1943年9月15日にサ13船団に参加し、昭南（シンガポール）へ向かいました。9月28日に昭南に到着し、10月3日に油類を搭載して出港しました。高雄に寄港した後、門司への帰途につくものの、10月14日にアメリカの潜水艦「グレイバック」の攻撃により、特設運送船「高瑞丸」が沈没し、その後高崎はグアム方面へ航海。12月中には再び昭南への航海を行いました。

1944年2月には、連合艦隊の付属艦として編成され、引き続き輸送任務に従事しました。2月21日、高崎はヒ47船団に参加し門司を出港。そこから南進し、バリクパパン、マニラ、パラオ、サイパン島などへ燃料輸送に従事しました。

しかし、1944年6月1日、高崎は海防艦「干珠」に護衛されてヤップ島を出港。その航海中に特務艦「足摺」と合流し、スールー海を航行していましたが、6月5日にアメリカの潜水艦「パファー」に発見され、魚雷により攻撃を受けました。結果、高崎は「パファー」の攻撃によって沈没し、7月10日に艦籍から除籍されました。

歴代艦長

高崎に就任していた艦長は、1943年7月から9月の初めまで艤装員長として吉田利喜蔵大佐が務め、その後は特務艦長としても同じく吉田大佐が1944年6月15日まで艦を指揮しました。若干の動きはあったものの、艦長の指揮のもと、高崎は戦時の多様な任務に取り組んでいたことが窺えます。

同型艦

高崎の同型艦には「洲埼 II」が存在します。これらの艦艇は、当初の設計である給油艦としての役割を担い、戦時の軍事作戦において重要な役割を果たしました。

高崎の歴史を俯瞰すると、大日本帝国海軍の艦艇の中でも、給油艦としての重要性や戦場における運命の厳しさを垣間見ることができます。給油艦は、戦略的な燃料供給の面で不可欠な存在であり、その役割は戦闘艦艇の活動を支える重要な役割を担っていました。

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