高松宮好仁親王

高松宮好仁親王（たかまつのみや よしひとしんのう）は、慶長8年（1603年）に後陽成天皇の第七皇子として誕生しました。母は関白近衛前久の娘である近衛前子（中和門院）です。幼少の頃は七宮（しちのみや）と呼ばれ、後に三宮（さんのみや）と改められました。書道においては招月、不白という号を用いています。

慶長10年（1605年）には、聖護院門主である興意入道親王の附弟となり、慶長17年（1612年）には聖護院に入寺しました。同年12月には親王宣下を受け、斉祐（ただすけ）と命名されましたが、元服の際に好仁と改名しました。同時に二品に叙品され、弾正尹にも任じられました。

寛永2年（1625年）10月には、高松宮の宮号を賜りました。この宮号は、好仁親王の養母である勧修寺晴子（新上東門院）の御所が高松殿であったことに由来するとされています。寛永7年（1630年）には、福井藩主松平忠直の娘で、二代将軍徳川秀忠の養女である亀姫（宝珠院）を御息所としました。

好仁親王は、能書家としてもその名を広く知られていました。特に、定家流や近衛流の書を多く揮毫し、その美しい筆跡は多くの人々を魅了しました。書道に情熱を注ぎ、その才能を大いに開花させたのです。

しかし、寛永15年（1638年）、好仁親王は36歳という若さで薨去されました。その法名は永照院招月不白です。短い生涯ではありましたが、その足跡は後世に大きな影響を与えました。

子女としては、第一王女に明子女王（後の後西天皇女御）、第二王女に高琳院松誉宝月円清がいます。特に明子女王は、後西天皇の女御となるなど、皇室との深いつながりを示しています。

高松宮好仁親王は、皇族として、また能書家として、その短い生涯の中で多大な功績を残しました。その存在は、日本の歴史と文化に深く刻まれています。

参考文献

高松宮好仁親王に関する文献
日本の皇室に関する歴史書

もう一度検索