高松家

高松家：華族子爵家の歴史と系譜

高松家は、由緒ある公家・華族の家系です。そのルーツは、藤原北家閑院流武者小路家に遡ります。羽林家としての家格を有し、明治維新後の華族制度においては子爵家に列せられました。

家系の起源と発展

高松家の祖は、江戸時代中期に活躍した参議重季です。彼は、准大臣を務めた武者小路実陰の子として生まれました。高松という家号は、後閑院贈太政大臣実季の三男である権大納言仲実が名乗ったことに由来すると考えられています。興味深いことに、三条西実条の三男である西郊実号が慶長年間に叙爵して創設された西郊家は、実号の孫である実陰が武者小路家を継いだため廃絶しました。その後、実陰の次男である重季が宝永期に高松家を創設したのです。

高松家は、公家としての家格は羽林家、新家、外様であり、家業は有職故実と和歌でした。九条家の家札を有し、江戸時代の石高は切米30石3人扶持でした。明治維新後の明治2年（1869年）、公家と大名家が統合されて華族制度が誕生すると、高松家も華族に列しました。明治17年（1884年）の華族令施行により華族が五爵制となると、高松家は旧堂上家として実村が子爵に叙せられました。

海軍軍人としての活躍

2代子爵となった六男公秋は、海軍軍人として活躍しました。海軍大佐にまで昇進し、日露戦争では功績を挙げ、功五級金鵄勲章を受賞しています。その弟である3代子爵公春も、海軍中佐まで昇進した海軍軍人でした。高松家の男性は、武道の道にも秀でていたことが伺えます。

同志社英学校との関わり

6代当主である高松保実は、維新後、京都寺町通丸太町上ル松蔭町の「中井屋敷」に移り住みました。そして、注目すべき点として、1875年にこの高松邸の一角で同志社英学校が開校したのです。高松家は、教育にも貢献した家系だったと言えるでしょう。

系譜

高松家の系譜は、以下の通りです。（※実線は実子、点線は養子を示します）

6代 高松保実（1817-1878）：正四位下・大膳権大夫、廷臣八十八卿の一人
7代 高松実村（1842-1907）：6代保実の三男
8代 高松公秋（1878-1926）：7代実村の六男、海軍大佐。水雷学校教官、艦政本部員、海軍大学校教官などを務め、日露戦争の功績により功五級に叙せられた。
9代 高松公春（1884年生）：7代実村の七男、海軍中佐

高松家は、公家としての伝統を守りながら、明治以降の日本社会においても重要な役割を果たした家系と言えるでしょう。その歴史と系譜は、日本の近現代史を理解する上で貴重な資料となります。

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