高柳直夫

高柳 直夫の生涯と業績

高柳直夫（たかやなぎ ただお）は、1878年5月4日に佐賀県で生まれた日本の海軍軍人です。彼は海軍兵学校の第26期生として59名中11番の成績で卒業し、1900年に少尉として任官しました。特に彼の功績が大きく評価されたのは、日露戦争の際の「第三回旅順港閉塞作戦において「江戸丸」の指揮官として戦ったことです。その戦いの中で高柳少佐は勇敢に戦い、歴史にその名を刻みました。

海軍でのキャリアと戦争

高柳は佐賀中学で学んだ後、知新館を経て海軍兵学校に進学しました。在学中には小林躋造や野村吉三郎、水野広徳といった著名な同窓生もおり、彼らと共に学びました。彼は1900年に海軍少尉としての任官を果たし、その後は防護巡洋艦「秋津洲」の砲術長として日露戦争に出征しました。

第三回旅順港閉塞作戦

1904年5月2日、高柳は旅順口における閉塞作戦に「江戸丸」の指揮官として参加しました。その任務は、「江戸丸」を含む12隻の艦艇が旅順港の進入を妨げるために敵艦隊の前に自艦を沈めることでした。作戦には悪天候が影響し、林三子雄中佐からも中止命令が出ましたが、高柳は指揮を継続しました。

その結果、「江戸丸」は他の艦艇と共に再び閉塞に向かえましたが、ロシア軍の激しい攻撃に直面しました。それにもかかわらず、高柳は船橋で指揮を取り続けました。しかし彼は、目標地点に到達した際に腹部を被弾し、命を落としました。その直後、指揮官附の永田武次郎中尉が指揮を引き継ぎ、「江戸丸」を爆破して乗員と高柳の遺体を乗せた端舟で無事脱出することができました。この戦闘の中で、高柳を含む二名が戦死しました。

栄典

高柳の勇気と業績は高く評価され、彼は生前にいくつかの栄典を受けました。1900年には正八位、1901年には従七位、さらに1903年には正七位に叙されるなど、その功績は海軍内外で広く認知されました。彼の墓所は佐世保の東山海軍墓地にあり、彼を偲ぶために訪れる人々が絶えません。

まとめ

高柳直夫は、日本の海軍の歴史の中で重要な役割を果たした軍人です。彼の生涯は短かったものの、日露戦争におけるその勇敢な行動と献身は、後の世代に語り継がれることでしょう。彼が果たした任務の大きな意義は、海軍の発展に寄与し、多くの海軍士官たちの模範として位置づけられています。

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