高橋健二 (競輪選手)

高橋健二（たかはし けんじ）は、1952年7月13日生まれ、愛知県出身の元競輪選手。現役時代はパンチパーマと屈託のない笑顔が印象的で、「爽やかケンチャン」と呼ばれ、ファンに愛された。引退後は、喫茶店の店主として第二の人生を歩んでいる。

競輪一家に生まれて

高橋は、父親、兄の昭次、弟の美行、そして息子の宏和も元競輪選手という競輪一家に生まれた。しかし、父親の早逝により、高校時代は新聞配達などのアルバイトで家計を助けていたという苦労人でもある。春日丘高等学校卒業後、競輪選手を数多く輩出した黒須道場に入門し、黒須修典に師事。その後、競輪学校第30期生として競輪界へ足を踏み入れた。同期には小池和博、緒方浩一らがおり、北海道出身の久保千代志とは同門で、競輪学校では1期先輩だが同い年という間柄だった。

デビューから最優秀新人賞へ

1972年10月5日、名古屋[[競輪場]]でデビューを飾ると、初出走初勝利、さらにその開催で完全優勝という衝撃的なデビューを果たす。翌1973年には最優秀新人賞を獲得し、その実力を競輪界に示した。

三強時代を終わらせた男

1975年の日本選手権[[競輪]]では、高橋はホームからカマシ気味に先行し、当時の三強と呼ばれた福島正幸を落車に巻き込むという波乱を演出。この優勝を機に、競輪界は従来の勢力図が塗り替えられ、ヤング全盛時代へと突入した。このレースは、高橋の競輪史に残る名勝負として語り継がれている。しかし、同年5月、高松記念決勝戦での落車事故で生死をさまよう大怪我を負う。それでも不屈の精神で翌年7月に復帰を果たした。

中野浩一との友情とライバル関係

高橋は、同じ時期にデビューした中野浩一の相談相手として、また良きライバルとして、競輪界を盛り上げた。特に中野は、高橋を頼り、自宅に泊まりに来ることもあったという。フラワーラインという勢力が台頭すると、高橋は中野をサポートし、時折、中野シンパラインを形成して対抗した。また、高橋は中野と特別競輪の決勝で何度も激戦を繰り広げた。しかし、ほとんど中野に軍配が上がり、高橋はしばらくタイトルから遠ざかることになった。

世界選手権で銅メダルを獲得

1981年、チェコスロバキアのブルノで開催された世界選手権プロスプリントでは、銅メダルを獲得。同年のケイリンでは、同門の久保千代志も銅メダルを獲得し、競輪界に貢献した。

10年半ぶりの特別競輪制覇

1985年のオールスター[[競輪]]では、中野をマークし、直線で鋭く追い込んで10年半ぶりの特別競輪制覇を成し遂げた。このレースでは、弟の美行も3着に入り、兄弟表彰台を飾るという、競輪史に残る名場面となった。

50歳を過ぎてもS級選手として活躍

高橋の特筆すべき点は、50歳を超えてもS級選手であり続けたことである。2003年にA級に陥落したことを機に引退を決意したが、新人時代からトップクラスを維持した功績は高く評価される。2002年には50歳でふるさとダービーに出場しており、その衰えぬ実力を見せつけた。

引退とその後

2003年7月18日、松阪[[競輪場]]でのレースを最後に現役を引退。通算成績は2379戦470勝、獲得賞金は9億7772万6780円に及ぶ。特別競輪の優勝回数は2回だが、その存在感は記録以上にファンの記憶に深く刻まれている。引退後、岐阜県中津川市で喫茶店「孝見さ寮」を開店し、夫婦で経営している。

主な獲得タイトル

1975年 - 日本選手権[[競輪]]（千葉[[競輪場]]）
1985年 - オールスター[[競輪]]（一宮[[競輪場]]）

高橋健二は、競輪界に数々の伝説を残した名選手として、その名は今も語り継がれている。

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