高橋梨香

高橋 梨香

高橋 梨香（たかはし りか）は、1979年12月28日生まれ、埼玉県所沢市出身の女子競輪選手です。日本競輪選手会埼玉支部に所属し、大宮競輪場をホームバンクとしています。競輪学校（当時）第106期生であり、師匠は早川成矢選手（78期）です。

異色のキャリア

競輪選手となる以前、高橋選手は水泳の選手として活動していました。小学校時代から水泳に親しみ、高校時代には全国高等学校総合体育大会（インターハイ）のメドレーリレーで準優勝という輝かしい成績を残しています。

大東文化大学在学中に、活動の場をトライアスロンに移します。大学卒業後は実業団選手として、アラコ（後のトヨタ車体）に所属して活躍しました。海外でのレース経験も豊富で、国際舞台での挑戦を重ねましたが、世界のトップレベルとの差を感じるとともに、日本選手権でも優勝することができず、次第にトライアスロンへの情熱が薄れていきました。競技から退いた後は、しばらく会社員として働いていました。

競輪選手への転身

会社員としての日々を送っていた頃、偶然インターネット上でガールズケイリンに関する記事を目にしたことが、彼女の人生を再び大きく動かすきっかけとなります。記事に触発された高橋選手は、競輪選手という新たな道を志しました。

ガールズケイリンの第一期生となる第102回生の入学試験に適性で挑み、一次試験は突破しましたが、二次試験当日にインフルエンザに罹患するという不運に見舞われ、受験できずに不合格となります。翌年、第104回生の試験も検討しましたが、家族からの反対に遭い、受験を断念しました。しかし、競輪選手になりたいという思いを諦めきれず、さらにその翌年、第106回生の試験に技能で再挑戦し、見事に合格を果たしました（2012年12月20日）。競輪学校での在校競走成績は、9勝を挙げて8位という好成績でした。

プロデビュー以降の活躍

2014年5月14日、西武園競輪場でプロデビュー戦を迎え、2着となりました。初勝利は同年6月7日、富山競輪場で記録。そして、プロ初優勝は2017年5月14日のいわき平競輪場で達成しました。

高橋選手のキャリアは、40歳を迎えてからさらに輝きを増します。40歳の誕生日を翌日に控えた2019年12月27日には、小倉FIで優勝。40歳となった2020年も精力的にレースに出場し、78戦中45回で3着以内に入るなど、出場レースの半数以上で車券に貢献する活躍を見せました。2021年末には、ガールズグランプリ出場権をかけたトライアルレースに2年ぶりに選出され、グループB「アメジスト」決勝で3着に入るなど、コンスタントに上位で戦い続けています。

近年、特筆すべきは、ガールズケイリンにおける最年長優勝記録を次々と更新していることです。2023年9月6日には平塚FI（ナイター）で、2019年12月以来となる優勝を43歳8か月9日で達成。これは前日に加瀬加奈子選手が樹立したばかりの最年長優勝記録をわずか一日で更新するものでした。さらに同年11月26日には川崎FIIで完全優勝を飾り、自身の記録を43歳10か月29日に塗り替えました。

2024年もその勢いは止まらず、4月1日の小倉FI予選1で通算100勝を達成。そして、8月11日には大垣FIIを完全優勝し、44歳7か月14日という新たな最年長優勝記録を樹立しました。

記録更新は続き、2025年2月14日には高松FII（モーニング）を45歳1か月17日で優勝。さらに3月23日には豊橋FIで優勝し、45歳2か月23日として自身が持つガールズケイリン最年長優勝記録を更新し続けています。

水泳、トライアスロンで培った類稀なる身体能力と、度重なる挫折を乗り越えてきた不屈の精神力を武器に、ベテランとなった今もなお、日本の女子競輪界の第一線で輝きを放っています。その存在は、多くのファンや後進の選手たちに勇気と希望を与え続けています。

主な獲得タイトルと記録

* ガールズケイリン最年長優勝 - 45歳2か月23日（2025年3月23日・豊橋FI）

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