高波 (駆逐艦)

駆逐艦「高波」：夕雲型駆逐艦の生涯

駆逐艦「高波」は、大日本帝国海軍が太平洋戦争中に運用した夕雲型駆逐艦の6番艦です。この艦は、その短い生涯の中で、数々の重要な作戦に参加し、ソロモン諸島を巡る激戦でその名を刻みました。

建造と竣工

「高波」は、1939年度の計画に基づいて浦賀船渠で建造されました。1942年1月20日には正式に「高波」という艦名が与えられ、夕雲型駆逐艦として類別されました。同年3月16日には進水式が行われ、7月には艤装員事務所が開設、8月31日に竣工しました。

戦歴

竣工後、「高波」は舞鶴鎮守府籍となり、警備駆逐艦として指定されました。その後、沖輸送作戦に参加し、ソロモン諸島への陸軍部隊輸送に従事。10月1日には第二水雷戦隊の第三十一駆逐隊に編入され、姉妹艦と共にガダルカナル島の戦いに投入されました。

ガダルカナル島の戦い

「高波」は、鼠輸送、ヘンダーソン基地艦砲射撃、南太平洋海戦、第三次ソロモン海戦といった主要な作戦に参加しました。10月11日には、ヘンダーソン飛行場への艦砲射撃を行う第三戦隊を護衛。10月26日の南太平洋海戦では、前進部隊の一員としてアメリカ軍機動部隊と交戦しました。

ルンガ沖夜戦と最期

11月30日、「高波」はガダルカナル島への輸送作戦中に、ルンガ沖夜戦でアメリカ艦隊と交戦。この戦いで、「高波」は敵艦隊をいち早く発見し、その攻撃を引き受けることで、味方艦隊の退避を助けました。しかし、集中砲火を浴びて航行不能となり、最終的には自沈処分が下されました。艦長の小倉正身中佐を含む多数の乗組員が戦死しました。

艦長

「高波」の艦長を務めたのは、小倉正身 中佐です。竣工からルンガ沖夜戦での戦死まで、「高波」の指揮を執りました。

遺産

駆逐艦「高波」は、その短い生涯の中で、数々の激戦を戦い抜き、多くの犠牲を払いました。その勇戦は、後の海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」に艦名が継承されています。

参考文献

江田高市「世紀のルンガ沖夜戦秘録」『丸 エキストラ版』 25巻、潮書房、1972年、237-263頁。
木俣滋郎『日本水雷戦史』図書出版社、1986年。ISBN 978-4809901089。
* 防衛庁防衛研修所戦史室 編『戦史叢書 第83巻　南東方面海軍作戦＜2＞ ガ島撤収まで』朝雲新聞社、1975年8月。

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