高田信一

高田信一は、1920年または1921年に東京で生まれ、1960年に39歳で急逝した作曲家、指揮者です。広島大学教授も務めました。幼少期から音楽に親しみ、上野耐之に音楽の基礎を、藤田喜与子にピアノ、長谷川良夫に作曲を師事しました。

1937年に東京音楽学校に入学し、橋本国彦、下総皖一、ヘルムート・フェルマーに作曲を、水谷達夫にピアノを学びました。1941年には日本音楽コンクール作曲部門で入賞するなど、在学中から才能を発揮しました。また、20年間「成城合唱団」の指揮者を務めました。

1943年に日本交響楽団の専任指揮者に就任し、同楽団の定期演奏会で自作が演奏されました。1948年には、交響詩「平和への頌歌」が平和の鐘建立会管弦楽懸賞で入選。1950年には、NHK25周年記念管弦楽懸賞で「交響的二楽章」が佳作入選するなど、作曲家としても高い評価を得ました。

1951年まで日本交響楽団の指揮者を務め、その後、東京フィルハーモニー交響楽団の専任指揮者に就任しましたが、1960年に39歳で急逝しました。

高田信一は、管弦楽曲、室内楽曲、合唱曲、独唱曲、映画音楽、国民歌、自治体歌など、幅広いジャンルで作品を残しています。

代表的な作品としては、管弦楽曲では「小舞曲」、「祝典序曲」、「序曲『桜』」、「主題・変奏曲と遁走曲」、「交響詩『ヒュッテに寄する牧歌』」、「組曲『秋の唄』」、「奇想曲」、「交響詩『海戦に寄す』」、「田園組曲」、「交響詩『平和への頌歌』」、「交響的二楽章」などがあります。室内楽曲では、「三つの小品」、「アリア」、「五つの抒情詩」、「沖縄の民謡による四重奏曲」、「二つの田園曲」、「フルート五重奏曲」、「フルート・ソナタ」などがあります。その他、ピアノ曲では「ピアノ・ソナタ 変ホ長調」、「逝く秋」、合唱曲では「富士山を望める歌」、「みいくさの」、「なかよし円舞曲」、独唱曲では「四つの短い詩」、「お母さんおぼえていますか」などがあります。

映画音楽では「海のバラ」、「風雪二十年」、「八月十五日」、「山下奉文」、「早稲田大学」などがあります。特に「風雪二十年」では毎日映画コンクール音楽賞を受賞しています。

国民歌としては「若い力」、自治体歌としては「盛岡市民歌」、「福山市民の歌」、その他に「川崎市立田島小学校校歌」などを手がけています。

高田信一の作品は、その卓越した音楽性と多様な表現力で、多くの人々に感動を与え続けています。

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