高等女学校令

高等女学校令の概要

高等女学校令（こうとうじょがっこうれい）は、明治32年2月7日に公布された日本の法令で、女子に必要な中等教育を提供することを目的としています。この勅令は、同年4月1日に施行され、合計20条から構成されています。この法令の制定により、高等女学校の設置と運営に関する規定が整備され、女子教育の充実が図られました。

高等女学校令の背景と目的

これ以前は、高等女学校は従来の中学校令や高等女学校規程に基づいて設立されていましたが、高等女学校令の制定により、独自の法的基盤が与えられました。これにより、高等女学校はより明確な役割を持ち、女子に対する中等教育の保障が強化されました。高等女学校令は、女子教育の重要性を鑑み、教育の機会を広げるために設けられたものです。

高等女学校令の主要な内容

高等女学校令では、主に以下のような内容が規定されています。

1. 設置義務: 北海道や各都道府県に、高等女学校を設置する義務が課されています（第2条）。また、郡市町村や町村学校組合立の高等女学校が設置可能で、私立学校も認められています。
2. 修業年限: 基本的に、修業年限は4年と定められていますが、特別な事情に応じて3年または5年の修業も認められています。また、修業年限が2年以内の補習科を設けることも可能です（第9条）。
3. 入学資格: 高等小学校の2年課程を修了した者（12歳以上）が、入学資格を有することになります（第10条）。
4. 学科の設置: 技芸専修科が設置され、卒業生を対象に専攻科を設置することができます（第11条、第12条）。
5. 授業料の徴収: 公立の高等女学校では授業料が徴収されることが定められています（第17条）。

改正の経緯

高等女学校令は、その後も数回の改正を受けています。1907年の改正では、修業年限の延長が認められ、入学資格の要件が変更されました。翌年には、家政に特化した実科高等女学校が設立されることが決まりました。

1920年の改正では、女子教育の目的に「国民道徳の養成」が追加され、修業年限も5年が基本となり、多様な学校形態が認められるようになりました。1941年には、国民学校令の施行に伴い、一部の教育内容が改定されました。

廃止とその後

高等女学校令は、1943年4月1日に施行された中等学校令により廃止され、その後の教育制度に移行していきます。これにより、日本の高校教育制度は新たな段階へと進化しました。

結論

高等女学校令は、日本における女子教育の法的な基盤を築く大きな役割を果たしました。この勅令によって、女子が中等教育を受ける権利が保障され、教育の機会が広がったことは、日本社会に与えた影響を考えると非常に重要です。女子教育の推進に向けた歴史的な一歩として、今後も高等女学校令の意義は語り継がれていくことでしょう。

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