高遠城址公園

高遠城址公園：歴史と自然が織りなす絶景

長野県伊那市高遠町に位置する高遠城址公園は、戦国時代の城跡を活かした、雄大な自然と歴史が融合した公園です。春には約1500本のタカトオコヒガンザクラが咲き乱れ、城跡全体を鮮やかなピンク色に染め上げます。その美しさは、日本さくら名所100選にも選ばれ、全国から多くの観光客が訪れる人気のスポットとなっています。

高遠城の歴史：武田氏と悲劇の落城

高遠城は、戦国時代の武田信玄の家臣、山本勘助によって築城された堅固な城でした。城主は武田氏一族が務め、別名兜山城とも呼ばれていました。天正10年(1582年) 、織田信忠率いる軍勢によって落城しますが、この時、城主であった仁科盛信と、織田信忠の元婚約者であった信玄の娘・松姫が籠城していたことから、数々の悲劇が伝えられています。また、正徳4年(1714年)には、江島生島事件で絵島が高遠藩内藤清枚にお預けとなったという歴史も刻まれています。

公園の整備と歴史的建造物

廃藩置県後、高遠城は取り壊され、城跡は荒れ地と化していました。しかし、明治9年(1876年)、旧藩士たちの尽力により、桜の植樹や門の移設などが行われ、公園として整備されました。昭和11年(1936年)には高遠閣が完成。現在は観光客の休憩所や案内所として利用されていますが、当初は地域の集会所として建てられたものです。昭和35年(1960年)には、タカトオコヒガンザクラの樹林が長野県の天然記念物に指定され、その価値の高さが認められています。昭和53年(1978年)からは、花見シーズンのみ有料となっています。

公園内には、登録有形文化財である高遠閣のほか、新城藤原神社、天下第一の桜碑、旧藩校跡である進徳館など、歴史を感じさせる数々の名所があります。また、須田経哲顕彰碑、中村元恒・元起記念碑、荻原井泉水の句碑など、様々な碑が点在し、歴史の深さを物語っています。

高遠城址公園のアクセスと周辺情報

アクセスは、飯田線伊那市駅からJRバス高遠線で約25分、または中央本線茅野駅からJRバス（季節運行）で約1時間、「高遠駅」下車後、徒歩約15分です。バスタ新宿からの高速バスも利用可能です。「新宿・高遠連絡きっぷ」も販売されています。車の場合は、中央自動車道伊那ICから約30分、諏訪ICから約1時間です。シーズン中は公園付近の渋滞緩和のため、無料駐車場からシャトルバスが運行されていますが、混雑時は徒歩での移動が必要となる場合もあります。

周辺には、伊澤修二生家、保科正之公像、お静顕彰碑などの史跡や、三峰川、高遠湖（高遠ダム湖）、高遠町歴史博物館、信州高遠美術館などの施設があります。

高遠城址公園の魅力

高遠城址公園は、歴史と自然が織りなす、他に類を見ない魅力を持つ公園です。春には圧巻の桜景色、それ以外の季節でも、歴史的な建造物や史跡、そして雄大な自然を楽しむことができます。桜まつりやライトアップなどのイベントも開催され、訪れる人を魅了し続けています。高遠城址公園を訪れ、歴史と自然の融合する美しい空間を体感してみてはいかがでしょうか。

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