高隈ダム

高隈ダム

高隈ダムは、鹿児島県鹿屋市下高隈町古園に位置する、一級河川・肝属川水系串良川に建設されたダムです。農林水産省九州農政局が管理する農林水産省直轄ダムであり、堤高47.0mの重力式コンクリートダムとして、大隅半島では最大規模を誇ります。

ダムの目的

高隈ダムは、主に笠野原台地への農業用水を供給することを目的として建設されました。この地域は、シラス台地と呼ばれる保水力の低い火山灰土壌であり、河川は深い谷を形成しているため、農業用水や生活用水の確保が困難でした。そのため、ダム建設以前は、深井戸を掘って牛の力を借りて水を汲み上げるなど、非常に苦労を強いられていました。

高隈ダムは、長年不毛の大地であった笠野原台地を潤し、農業の発展に大きく貢献しています。ダムの完成によって、約4,807ヘクタールもの広大な農地が灌漑されることとなりました。このダムは、「国営笠野原農業水利事業」の根幹施設として、重要な役割を果たしています。

大隅湖

ダムによって形成された人造湖は、旧国名である大隅国にちなんで「大隅湖」と名付けられました。湖畔は自然に囲まれ、静かで美しい景観が広がっています。

歴史

笠野原台地は、水資源に乏しく、農業用水の確保が長年の課題でした。1947年頃からダム建設の検討が始まり、1959年に着工、1967年3月に完成しました。ダム建設に際して、約200戸の住民が移転を余儀なくされました。

ダムの概要

所在地: 鹿児島県鹿屋市下高隈町古園
河川: 肝属川水系串良川
種類: 重力式コンクリートダム
堤高: 47.0m
管理者: 農林水産省九州農政局
目的: 灌漑

関連情報

関連項目
ダム
日本のダム
重力式コンクリートダム
農林水産省直轄ダム

参考文献

栄喜久元　『かごしま文庫15　かごしま・川紀行』　春苑堂出版、1994年、ISBN 4-915093-21-2。
* 財団法人日本ダム協会　「ダム便覧　2006」：2006年

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