高階信順

高階信順について

高階信順（たかしな の のぶのり）は平安時代中期の貴族で、具体的な生年は不詳であるが、長保3年6月29日（1001年7月22日）に亡くなった。彼は従二位の高階成忠の子であり、官位は従四位下、左中弁という地位にあった。

経歴の概要

信順の経歴は、円融天皇の時代に始まる。彼は文章得業生を経て、貞元3年（978年）には大和掾に任命されている。次に一条天皇の正暦元年（990年）には、妹である貴子の夫、藤原道隆が関白に就任するのを契機に、右少弁に任じられた。その後、五位蔵人や右衛門権佐、春宮・居貞親王の東宮学士など多くの役職を歴任していく。

正暦6年（995年）には従四位下に叙せられるも、同年4月には道隆がこの世を去る。このことが後の運命に大きな影響を与えることになる。長徳2年（996年）に発生した長徳の変により、信順は伊豆権守に左遷される。彼と同様に流される多くの貴族の中で、信順は妹である定子が中宮にいるため、彼女の御所に逃れるが、検非違使の捜索に遭い、隠れざるを得ない運命にあった。

病気を理由に配所への移送を拒んだものの、結局は同年の冬に伊豆に移されてしまった。その後は伊周・隆家と同じく短期間のうちに赦され、長徳4年（998年）には再び左中弁に昇進する。

最晩年には長保3年（1001年）6月28日に出家し、翌日にはその生涯を閉じた。

勅命改竄未遂事件

信順の名前は、長徳元年（995年）に起きた勅命改竄未遂事件にも関与していた。この事件は、一条天皇によって藤原伊周に関白代行を命じたものが、恒久的なものに改竄される可能性があった。この改竄を試みたのは中原致時と小槻奉親であり、これを阻止しようとした信順らの圧力があった結果、事件が発覚した。このような騒動によって信順は権威の座から失脚してしまう。

官歴

信順は非常に多くの職を歴任しており、彼の官歴は次の通りである。

• - 時期不詳：文章得業生
• - 貞元3年（978年）10月：大和掾
• - 天元5年（982年）4月28日：献策
• - 寛和2年（986年）日付不詳：学士侍読
• - 正暦元年（990年）8月20日：右少弁
• - 正暦3年（992年）10月14日：見右少弁右衛門権佐東宮学士周防権守
• - 時期不詳：正五位下
• - 正暦4年（993年）11月15日：五位蔵人
• - 正暦6年（995年）正月7日：従四位下（叙留）。9月：辞右衛門権佐。
• - 日付不詳：右中弁
• - 長徳2年（996年）日付不詳：権左中弁。4月24日：伊豆権守（長徳の変）
• - 長徳4年（998年）10月23日：左中弁

高階信順は様々な官位を経験し、出家するまでに波乱に満ちた人生を過ごした。彼の人生は平安時代の貴族社会の複雑さを象徴するものでもあり、多くの人々との関係の中でその運命が大きく変わる様を伝えている。

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