高階成忠

高階成忠の生涯と業績

高階成忠（たかしな の なりただ）は、平安時代中期に活躍した公卿の一人であり、彼の生涯は多くの歴史的出来事と交差しています。彼は高階師尚の孫で、宮内卿の高階良臣の子として誕生しました。成忠の官位は従二位・式部大輔で、時には高二位とも称されました。彼の身分は時代の変遷の中で変化し、非常に精力的に様々な役職を歴任しました。

経歴の詳細

成忠は、文章生からキャリアをスタートさせ、大内記や大学頭、弁官などの文官職を経験しました。また、能登権守や大和守などの地方官職でもその手腕を発揮しました。永観2年（984年）、花山天皇が即位すると成忠は春宮・懐仁親王の東宮学士に任命され、その後の寛和2年（986年）には懐仁親王が即位し、彼の東宮学士としての努力が評価されて従四位上から従三位に昇格しました。これにより、高階氏はとうとう公卿の地位に名を連ねることになりました。

正暦元年（990年）には、成忠の娘貴子が摂政・藤原道隆との間に儲けた子が一条天皇の中宮に冊立されます。これを受けて、彼も正暦2年（991年）には従二位に叙せられ、同年には真人から朝臣に改姓しました。成忠の出家も特筆すべき出来事であり、彼は正暦3年（992年）の10月に法名を道観と称し、出家します。この時点での最高の官位は従二位行讃岐権守でした。

長徳元年（995年）には、娘婿の道隆が亡くなり、その後継者を巡る争いが勃発しました。外孫の内大臣・藤原伊周と権大納言・藤原道長の間での権力闘争の際、成忠は道長を陰陽師を通じて呪詛し、その結果、長徳2年（996年）には長徳の変が発生し、藤原伊周やその弟が流罪となりますが、成忠は出家していたため、連座を逃れることができました。

成忠は長徳4年（998年）に生涯を終え、享年76歳でした。

性格と人柄

成忠はその学才の高さに定評がある一方、性格が一般的ではなく、周囲からは気味悪がられ、恐れられていたという記録もあります。また、娘の貴子が藤原道隆と通じているのを見て、その器を見抜き、道隆が必ず出世すると予見したという逸話も残っています。

官歴

成忠の官歴は以下のようになります（注記のないものは『公卿補任』による）：

• - 天暦2年（948年） 6月13日：文章生試下宣旨
• - 天暦5年（951年）：美作権大掾
• - 応和4年（964年） 正月：権左少弁
• - 康保5年（968年） 3月22日：見大内記
• - 天延2年（974年） 11月1日：見右少弁
• - 天元3年（980年） 9月3日：見能登権守
• - 時期不詳：従四位上、東宮学士（懐仁親王）、大和守
• - 寛和2年（986年） 7月23日：従三位（越階、前坊学士の労）
• - 永延元年（987年） 7月12日：式部大輔
• - 正暦2年（991年） 7月22日：従二位（越階）
• - 正暦3年（992年） 9月17日：真人から朝臣に改姓、10月11日：出家（従二位行讃岐権守）
• - 長徳4年（998年） 7月7日：薨去

系譜

成忠は高階良臣を父に持ち、母は藤原博文の娘です。彼には多くの子供がいましたが、特にその中の娘・高階貴子は藤原道隆の妻となり、歴史に名を刻む存在となります。成忠が平安時代に果たした役割は、政治や文化において彼自身の血統とともに重要な意味を持っています。

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