魯軌

魯軌（ろ き、生年不詳 - 449年）は、中国の南北朝時代、東晋から北魏にかけて仕えた軍人であり、字（あざな）を象歯（しょうし）といいました。本貫は扶風郡郿県（現在の陝西省眉県）です。

経歴

魯軌は、魯宗之（ろ そうし）の子として生まれました。若い頃から弓射や乗馬に長け、その腕前は人並み外れていました。また、怪力であったとも伝えられています。当初、東晋に仕え、竟陵郡（きょうりょうぐん、現在の湖北省一帯）の太守を務めていました。

義熙11年（415年）、父である魯宗之が反乱を起こすと、魯軌もこれに加担しました。彼らは劉虔之（りゅう けんし）や徐逵之（じょ きし）といった東晋の官吏を殺害し、勢力を拡大しようとしましたが、東晋の武将である劉裕（りゅう ゆう、後の宋の武帝）に敗れてしまいました。敗戦後、魯軌は父と共に後秦（こうしん）へと亡命しました。

義熙12年（416年）には、襄陽（じょうよう、現在の湖北省襄陽市）に侵攻を試みましたが、東晋の雍州（ようしゅう）刺史であった趙倫之（ちょう りんし）に再び敗北を喫しました。

義熙13年（417年）9月、劉裕が長安（ちょうあん、現在の陝西省西安市）を攻略し、後秦を滅ぼすと、魯軌は北魏（ほくぎ）に降伏しました。北魏では、その武勇と経歴を買われ、寧南将軍（ねいなんしょうぐん）・荊州（けいしゅう）刺史に任じられ、襄陽公（じょうようこう）に封じられました。そして、長社（ちょうしゃ、現在の河南省許昌市）に駐屯し、その地の守備を任されました。

南朝の宋（そう）の文帝（ぶんてい）は、魯軌の才能を惜しみ、司州（ししゅう）刺史の地位を約束して何度も帰順を促しました。しかし、魯軌はかつて東晋に反旗を翻した前科を咎められることを恐れ、南へ帰ることをためらいました。

太平真君10年（449年）、魯軌は死去しました。

子女

魯軌には、以下の3人の息子がいました。

魯爽（ろ そう）
魯瑜（ろ ゆ）
魯秀（ろ しゅう）

伝記資料

魯軌の事績は、以下の史書に記録されています。

『宋書』（そうじょ）巻74 列伝第34
* 『南史』（なんし）巻40 列伝第30

これらの史料から、魯軌が turbulent な時代を生き抜き、その能力を発揮した人物であったことが伺えます。

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