鳩居堂

鳩居堂の歴史と店舗

概要

鳩居堂（きゅうきょどう）は、1663年に創業された老舗の専門店で、主に書画用品や香を提供しています。原初は薬種商として始まり、民間療法薬を取り扱っていましたが、時代とともに業務内容が変わり、現在の形態に至りました。京都に本店があり、東京には銀座本店を含めて複数の支店を展開しています。

歴史

創業期

鳩居堂は1180年、源頼朝が熊谷直実を称賛し贈った「向かい鳩」の家紋に由来して名付けられたと言われています。1663年に直心（じきしん）が薬種を扱う店舗を開いたのが始まりです。屋号は儒学者、室鳩巣の著作から取られていますが、この名称には「お客様のためにある店」という思いが込められています。

業態の変化

1700年代初頭、薬種商としての「鳩居堂」は香や書画用品の販売へと業態を変化させていきます。特に1789年には、文人墨客との交流を通じて独自の筆や墨を生産するようになり、その技術は高く評価されました。ここで誕生した筆や墨は、今なおその品質が称賛されています。

社会貢献と発展

鳩居堂の4代目、直恭（なおやす）は、天然痘の予防接種を行う施設を設け、社会貢献にも力を入れました。彼の活動は、後の直孝（なおたか）に引き継がれ、1869年には教育機関である柳池小学校の設立に寄与しました。これは現在の城巽中学校となっています。

1880年代から1890年代にかけて、鳩居堂は社会事業に雪崩れ込み、国事事業への貢献も目立ちました。このような活動が評価され、1903年には直孝が「贈従五位」を賜りました。

また、1891年には宮内省のお得意先、つまり皇室御用達業者となり、これにより鳩居堂の知名度は向上しました。

現代の鳩居堂

1942年、鳩居堂は法人化され、現在のように株式会社としての体制へ移行しました。京都と東京でそれぞれの販売部門が設立されたことにより、一層の発展を遂げています。

店舗情報

京都鳩居堂

京都市中京区に位置し、創業地としても知られています。ここでは、伝統的な書画用品や香が豊富に揃っています。

東京鳩居堂

東京の銀座にある本店は、中央通りに面しており、非常にアクセスしやすい場所にあります。この本店には「鳩居堂画廊」も併設されており、美術作品との融合が楽しめます。東京では、さらに渋谷店、新宿店、横浜店などの支店も展開されています。

結び

鳩居堂は、長い歴史を持ちながらも時代に沿った変化を遂げてきた店舗です。伝統を守りつつ、新しい価値を提供し続けるその姿勢は、今後も多くの人々に愛されることでしょう。

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