鳴戸 (給油艦)

鳴戸（なると）

鳴戸は大日本帝国海軍の特務艦であり、隠戸型給油艦の第3艦です。艦名は鳴門海峡から名づけられたもので、古くから親しまれてきました。

艦歴

鳴戸は大正12年度艦艇補充計画の一環として、1924年10月30日に横須賀海軍工廠で竣工しました。この艦は大正13年に横須賀鎮守府の配下に入りますが、就役して間もない1926年2月1日には第四予備特務艦としての役割を担うことになり、横須賀軍港では浮きタンクとして活用されました。

1927年5月には再就役し、武装や装備の工事を終えた後、6月30日には青島に到着します。ここで、混乱する中華民国に対する警戒活動が行われ、特に国民党の北伐や南京事件などに関連した援助が目的とされました。支援活動においては給油艦本来の役割に加え、給糧艦としての任務や海軍陸戦隊の輸送も行い、平時には石油輸入に従事しました。

1940年11月には連合艦隊の一部として活動を開始しました。1941年11月18日には呉を出港し、ジャルート環礁へ進出、補給活動を展開した後、12月には柱島泊地に帰投しました。1942年にはミッドウェー海戦に参加し、6月20日に柱島に帰投した後、呉海軍工廠で修理を受けることになります。修理後は9月1日にショートランドに到着し、ソロモン諸島海域での活動を再開しました。

その後、ショートランドでは爆撃を受け、11月12日には損傷を被ります。呉で修理を行った後も南方へ進出し、1943年1月にはラバウルに到着。以降は補給任務に特化し、重油タンクの代用としても活用されました。しかし、1944年1月14日の空襲により大破し、その後は固定係留され、対空戦闘に従事しました。最終的には1944年3月15日に総員が退却し、艦は放棄されました。

特務艦長

鳴戸の艦長や艤装員長としては、平山栄中佐が初代艦長を務め、それ以降も様々な艦長が交代しながら艦歴を刻んできました。特に平山栄大佐や新山良幸大佐など、著名な海軍の人物が艦長を務めたこともありました。

参考文献

• - アジア歴史資料センター
• - 日本海軍史
• - 海軍制度沿革
• - その他各種記録

鳴戸はその艦歴を通じて、日本の海軍において重要な役割を果たし続け、特に東南アジアにおける戦略的な活動の際にその存在価値を示しました。

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