鳴海製陶

鳴海製陶株式会社の概要

鳴海製陶株式会社（なるみせいとう）は、愛知県名古屋市に本社を置く高級洋食器のメーカーです。特にボーンチャイナが有名であり、国内の洋食器業界においてはノリタケカンパニーリミテドに次ぐ第2位の売上を誇ります。近年では、ガラス製品の扱いも増えており、売上高の内訳は食器が約71%、産業器材が29%となっています。

食器事業の中でも特に業務用に力を入れており、全国のホテルやレストラン、旅客機のファーストクラスで幅広く使用されています。このように、鳴海製陶は映画やテレビ番組にも洋食器を提供しており、映画『THE 有頂天ホテル』の撮影などにも関与しています。

会社の歴史

鳴海製陶の起源は1911年に設立された帝国製陶所にさかのぼります。この会社はその後、名古屋財界の資本が入って名古屋製陶所と改名。戦前には日本陶器（現・ノリタケカンパニーリミテド）と並ぶ大手陶磁器メーカーとして、その名を馳せました。

1943年に住友金属工業が鳴海工場を買収した後、1946年には扶桑金属工業の鳴海製陶所として独立し、翌年に鳴海製陶株式会社に改名。初めて洋食器を製造する一方で、1958年からは工業用セラミックスの生産も手掛けるようになりました。

このように事業を拡大しながらも、1991年には電子セラミックス部門を分社化するなどの動きを見せました。その後、2006年には経営陣によるマネジメント・バイ・アウト（MBO）を実施し、住友グループから離れました。2015年には石塚硝子が全株式を取得し、同社の完全子会社となりました。

商品ラインアップ

鳴海製陶の特徴は、多様なボーンチャイナ製品です。製品は多岐にわたり、代表的な商品には、優しいブルーの染付磁器『ミラノ』や、レリーフが施された『シルキーホワイト』、さらに『スタジオアート』など、一品物の手描き商品も取り揃えています。

また、年間限定で発売される『いわさきちひろ』のイヤーズプレートや、絵本作家シシリー・メアリー・バーカーによる『フラワーフェアリー』シリーズなど、独自の世界観を持つ製品群が目を引きます。

さらに、近年では高級洋食器の海外展開も進んでおり、アメリカやアジア市場でのプレゼンスを高めています。特に、CITICキャピタル・パートナーズと提携し、当地のホテルなどでの販売を拡大しています。

現在の展望

鳴海製陶の現在のビジョンは、持続的な成長と品質の向上を目指すことです。すでに確立された技術力に基づき、職人の手による高品質な製品を提供し続ける一方、新たな市場開拓にも取り組んでいます。日本国内でのブランドの認知度向上と、海外需要の拡大を両立させることで、今後さらなる成長が期待されます。

全体として、鳴海製陶は高級洋食器市場においてユニークな地位を占めており、その製品はただの食器を超え、特別な体験を提供すると同時に、文化の一部としての役割も果たしています。

もう一度検索