鵜ノ巣断崖

鵜ノ巣断崖：自然が創り出した絶景

岩手県下閉伊郡田野畑村に位置する鵜ノ巣断崖は、太平洋に面してそそり立つ、高さ200メートルにも及ぶ雄大な断崖絶壁です。三陸海岸北部の象徴的な景勝地として知られ、その名の由来は、断崖中腹にウミウやカワウの営巣地があることにちなんでいます。三陸復興国立公園の一部であり、手つかずの自然が残る場所として、多くの人々を魅了しています。

地形の成り立ち

鵜ノ巣断崖一帯は、三陸海岸北部特有の隆起海岸地形を示しています。この地形は、北上丘陵が長い年月を経て波の浸食作用を受け、海岸段丘面が削られて形成されました。三陸海岸北部は、太平洋に面しているため海流の影響で波が荒く、特に波による浸食が活発です。また、地震による津波の影響も受けやすいため、海岸段丘の下部がほぼ全面的に削り取られ、現在の切り立った崖の姿となりました。

そのため、頂上部は平坦な丘陵地帯であるのに対し、崖の部分はほぼ垂直に切り立っており、規則的な鋸歯状の形状が特徴的です。これは、比較的脆い地盤が波の浸食を受ける際、削られて窪んだ部分に波のエネルギーが集中することで形成されると考えられています。

観光について

田野畑村には、鵜ノ巣断崖の他にも北山崎という著名な景勝地があります。北山崎も100～200メートル級の断崖が連なりますが、洞門や奇岩、岩峰など地形の変化に富んでおり、単調ながらも豪壮な鵜ノ巣断崖とは異なる魅力を持っています。北山崎は国立公園切手にも採用されたことで全国的に知名度が高く、田野畑村の観光開発は北山崎を中心に進められてきました。そのため、鵜ノ巣断崖方面は観光開発が控えめで、現在も自然が色濃く残っています。

村は鵜ノ巣断崖を北山崎と並ぶ景勝地と位置づけていますが、観光施設は展望台や遊歩道が整備されている程度です。しかし、それゆえに手付かずの自然が残り、訪れる人々はありのままの壮大な景色を楽しむことができます。

アクセス

鵜ノ巣断崖へのアクセスは以下の通りです。

三陸鉄道リアス線 田野畑駅から観光乗合タクシーで約30分。
国道45号・E45 岩泉道路 鵜の巣断崖ICから約10分。駐車場あり。

ギャラリー

[写真1]
[写真2]
[写真3]
[写真4]

関連情報

岩手県の観光地
鵜ノ巣断崖 - 田野畑村

もう一度検索