鵲森宮

鵲森宮（かささぎもりのみや）

大阪市中央区森ノ宮中央に鎮座する鵲森宮は、古くから人々に親しまれてきた神社です。府社に格付けされ、式内社にも指定されている由緒ある神社で、通称の森之宮神社の名前でも広く知られています。この神社の名は、周辺地域の地名である森之宮、森ノ宮の由来にもなっています。

祭神

鵲森宮の主祭神は、用明天皇、穴穂部間人皇后、そして聖徳太子です。聖徳太子ゆかりの神社であることが、その歴史と深い関わりを示しています。

歴史

社伝によれば、聖徳太子は物部守屋との戦いの勝利を祈願し、勝利を収めた暁には四天王を祀る寺院を建立すると誓いました。そして、蘇我馬子が守屋を滅ぼした後に、太子は崇峻天皇2年（598年）7月、まず両親を祀る社として鵲森宮を建立しました。これは、新たに建立する寺院の鎮守として位置づけられたと伝えられています。太子は自ら両親の像を彫り、社殿に安置したとされています。その後、四天王を祀る元四天王寺（現在の四天王寺）が、太子によって創建されました。

承徳2年（1098年）の『難波古地図』には、天王寺跡や鵲森宮が記載されており、四天王寺が現在の荒陵山に移転したのは、鵲森宮が創建されてから25年後であることがわかります。しかしながら、実際には四天王寺は創建後間もなく現在地に移転したと考えられています。

『日本書紀』には、推古天皇6年（598年）夏4月に、聖徳太子の命を受けた吉士盤金が新羅から2羽の鵲を持ち帰り、難波の杜で飼ったという記述があります。この「難波の杜」が鵲森宮の森であるとされ、このことから森は「鵲の森」と呼ばれるようになり、やがて神社の名前となったと伝えられています。「難波の杜」は、生國魂神社なども比定地とされています。また、鵲森宮は森之宮や森明神という呼び名でも親しまれてきました。

かつて鵲森宮は広大な社領を有していました。現在の大阪市城東区の天王田や大東市の御供田は、かつて鵲森宮の社領であった名残りと伝えられています。しかし、時代とともに社領は減少し、神社は衰微していきました。

天正年間（1573年～1592年）の織田信長による大坂本願寺攻め（石山合戦）では、鵲森宮も焼失しましたが、その後再建されました。太平洋戦争中の大阪大空襲では、周辺地域が大きな被害を受けましたが、鵲森宮は奇跡的に焼失を免れました。

境内

境内には、本殿、拝殿、亀井水、社務所などがあります。拝殿前の狛犬の台座には、太平洋戦争中の機銃掃射の痕跡が多く残っており、戦争の爪痕を感じさせます。また、摂末社として五幸稲荷社があり、本殿の背後にあるビルの屋上には、天照大神、月読命、素盞嗚命を祀る奥宮が位置しています。

神事

鵲森宮では、毎年7月の第2・第3土曜日と日曜日に夏祭りが開催されます。

所在地・アクセス

所在地：大阪府大阪市中央区森之宮中央1丁目14-4
アクセス：JR大阪環状線森ノ宮駅、大阪メトロ中央線、大阪メトロ長堀鶴見緑地線より徒歩1分

外部リンク

* 鵲森宮 公式ホームページ

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