鶴ヶ嶺昭男

鶴ヶ嶺 昭男について

鶴ヶ嶺昭男（つるがみね あきお）は、1929年4月26日に鹿児島県姶良市で生まれた大相撲力士である。本名は福薗 昭男（ふくぞの あきお）。彼は1956年5月場所と1962年9月場所に最高位の西関脇に昇進し、得意とする技には「もろ差し」、「右四つ」、「寄り」、「上手出し投げ」がある。

学生時代と相撲への道

昭男は旧制加治木中学校に通っていた1944年に予科練に入隊。この時、海軍相撲での経験が彼の相撲に対する興味を一層深めた。戦後は学校を卒業後に地元の農業会に関わるも、後に巡業で訪れた幕下力士、薩摩錦に勧められ、井筒部屋に入門することになった。1947年6月場所で初土俵を踏んだ際、まだ師匠が現役力士であったため、表向きの所属は時津風部屋であったが、その後井筒部屋に移籍した。

この時、部屋は経済的に困窮しており、迫水久常という後援者が部屋のために奔走していた。困難な状況の中、甲山親方の「彼は必ず栃錦を倒す力士になる」という言葉と支援によって、昭男は相撲を続ける決意を固めた。

大相撲の舞台での実績

昭男は1953年3月場所に新入幕を果たし、しだいに力をつけていった。当初は右四つを得意としていたが、相手に応じて取り口を工夫することで強さを発揮し、「もろ差し名人」の異名を得るまでになる。彼は栃若時代から柏鵬時代にかけて活躍し、多くの強豪横綱たちに金星を挙げた。

特に優れた技術を発揮したのは1956年の1月場所で、14勝1敗という成績で優勝同点となったが、最後の相撲において横綱・鏡里との優勝決定戦に挑むという栄光を手にする。しかし、その後しばらくの間、彼自身の優勝の実現は叶わなかった。

战国時代を超え、1967年まで現役として活躍し続けた昭男は、引退後に年寄・君ヶ濱を襲名し、井筒部屋から独立して自身の部屋である君ヶ濱部屋を創設した。ここでは、多くの弟子を育て、その中にはのちにショーシャウエッティアや逆鉾などが存在し、相撲界に大きな影響を与えた。

引退後と晩年

昭男は部屋持ち親方としての役割を全うしつつ、また各種審判や解説者としても活躍した。彼の明快な解説は多くのファンに支持され、特に彼が考案した場内説明の言い回しは後に相撲界で定型化された。育成方針として、彼は「ゼロから弟子を育てる」ことを重視し、大学や実業団出身の力士を受け入れなかった。

晩年は鎌倉で陶磁器店を経営するも、個人的な問題に悩まされる時間が続いた。家族との不和の中で寂しい日々を過ごすことになり、最終的には2006年5月29日に大分県別府市の病院で77歳で亡くなった。彼の相撲界における功績と弟子への情熱は、今なお語り継がれている。

エピソードや家庭

彼の妻、節子は「蔵前小町」と称される美人であり、昭男との間には三人の息子がいた。家庭内の問題が影響し、昭男は寂しい晩年を送ることとなるが、その人生の中で数多の高評価と人々の心に残る影響を与え続けた力士であった。

力士としての彼の存在は、相撲という伝統的な文化の中で特別な位置を占めるものとなり、多くの後進にも影響を与え続けることでしょう。

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