鶴田泰

鶴田 泰（つるた やすし）



1970年7月23日、山梨県塩山市（現在の甲州市）に生まれた鶴田泰は、プロ野球界で投手として活躍した人物である。右投げ右打ち。

アマチュア球界での活躍



地元塩山商業高校に進学し、野球部で投手を務めた。3年生の春には、チームは県大会で準優勝という成績を収めている。高校卒業後、1989年に駒澤大学へ進んだ。同大学硬式野球部では、同期の捕手である田口昌徳とバッテリーを組み、多くの試合でコンビを組んだ。大学時代には、その実力が認められ、全日本のメンバーにも選ばれている。4年生となった1992年3月には、神宮球場で行われたプロアマ交歓試合に大学日本代表として先発のマウンドに上がった。また、この年の春には、2学年後輩の河原純一投手らの活躍もあり、立命館大学との激戦を11対7で制し、大学選手権でチームを優勝へと導いた。東都大学リーグでは、通算29試合に登板し、8勝2敗、防御率2.07、111奪三振という安定した成績を残している。駒澤大学野球部には、同期の田口のほかにも、関川浩一（2学年先輩）、若田部健一、竹下潤（ともに1学年先輩）、河原純一、高木浩之、本間満（いずれも2学年後輩）といった、後にプロや社会人で活躍する多くの才能が集まっていた。

プロ入り、中日ドラゴンズでのキャリア



1992年度のプロ野球ドラフト会議において、中日ドラゴンズから2位指名を受け、プロ入りを果たした。背番号は28が与えられた。プロ1年目の1993年シーズン、右の軟投派投手として先発ローテーションに加わり、7勝を挙げるなど期待に応える活躍を見せた。しかし、プロ入り後も順調満帆ではなかった。1995年のアリゾナキャンプ中に右肘を故障。この怪我により、長期間にわたるリハビリを強いられた。怪我からの復帰を目指す間、チームでは若手投手の台頭や他球団からの移籍選手の加入が進み、選手層が厚くなっていった。懸命な努力の末、1998年シーズンには4年ぶりに一軍のマウンドに復帰を果たした。そして翌1999年シーズンには、実に5年ぶりとなる一軍での勝利を挙げ、チームのセントラル・リーグ優勝にも貢献する復活劇を見せた。中日時代の背番号は、入団時の28から、1997年に64、1998年からは30へと変更されている。

広島東洋カープへの移籍と現役終盤



2000年シーズン終了後、中日ドラゴンズは広島東洋カープとの間で、紀藤真琴投手との交換トレードを発表。鶴田は活躍の場を広島へ移すことになった。広島では背番号が17（2001年）、21（2002年〜2004年）と変わった。広島での在籍期間中には、印象深い出来事もあった。2003年9月15日に阪神甲子園球場で行われた対阪神タイガース戦。緊迫した展開の中、鶴田は満塁策を選択するも、これが裏目に出てしまい、相手打者の赤星憲広にサヨナラ安打を浴びた。この一打により、阪神タイガースのリーグ優勝が決定するという、図らずも歴史的な瞬間に立ち会うこととなった。その後、2004年シーズンを終え、自由契約選手となり、プロ野球選手としての現役生活に終止符を打った。

引退後の歩み



プロ野球選手を引退した後も、鶴田泰は野球界との関わりを続けた。2005年からは、かつて所属した古巣・中日ドラゴンズに戻り、打撃投手としてチームを支えた。打撃投手として、約20年間にわたり選手の練習をサポートしてきたが、2025年からは新たな役割を担うことになった。長年の経験と野球への深い知識を活かし、選手強化アナリストとしてチームの強化・分析に携わることになっている。

主な記録



プロ野球選手として記録した主な成績や出来事は以下の通り。

投手記録




打撃記録



  • - 初安打・初打点：1993年5月8日 対横浜ベイスターズ5回戦（ナゴヤ球場）、2回裏に森山良二から。
  • - 1試合5三振：1993年9月7日 対広島東洋カープ16回戦（広島市民球場）。これは史上5人目、セ・リーグでは3人目となる珍しい記録である。

背番号



  • - 28 （1993年 - 1996年）
  • - 64 （1997年）
  • - 30 （1998年 - 2000年）
  • - 17 （2001年）
  • - 21 （2002年 - 2004年）
  • - 116 （2005年 - 2024年）

鶴田泰は、選手としての山あり谷ありのキャリアを経て、引退後も長きにわたり球団を支え続ける、野球に人生を捧げた一人と言えるだろう。

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