鷲塚針原駅

鷲塚針原駅：歴史と自然が調和するローカル線の駅

福井県福井市川合鷲塚町に位置する鷲塚針原駅は、えちぜん鉄道三国芦原線沿線にある無人駅です。駅番号はE32。この駅舎は、国の登録有形文化財に指定されており、歴史的価値も高く評価されています。

歴史を刻む駅舎

鷲塚針原駅が開業したのは1928年（昭和3年）12月30日。長い歴史の中で、2001年（平成13年）に発生した京福電気鉄道越前本線列車衝突事故の影響で全線運行が休止、一時的に営業を休止しました。その後、えちぜん鉄道が事業を継承し、2003年（平成15年）7月20日に営業を再開。そして2011年（平成23年）7月25日には、歴史的価値を認められ、駅舎が国の登録有形文化財に登録されました。2016年（平成28年）3月27日には、福井鉄道福武線との相互直通運転を開始。これに合わせて、直通列車専用の単式ホームが新設され、駅構内は2面3線に拡張されました。

駅構造と福井鉄道との相互直通運転

鷲塚針原駅は、島式ホーム1面2線と単式ホーム1面1線の地上駅です。無人駅であるため、駅本屋へは構内踏切を通ってアクセスします。単式ホームは福井鉄道福武線直通列車専用の低床ホームとなっており、田原町方面からの折り返し列車に使用されています。

当初、福井鉄道との相互乗り入れ計画は、福武線の浅水駅 - 鷲塚針原駅間で片乗り入れとする計画でしたが、旅客利便性向上のため、越前武生駅（現・たけふ新駅）からの直通運転、そしてえちぜん鉄道も車両を用意する相互直通運転へと変更されました。しかし、えちぜん鉄道直通列車の折返し駅は鷲塚針原駅のまま変更がなかったため、あわら湯のまち・三国港方面への直通列車は設定されていません。

利用状況と周辺環境

鷲塚針原駅は、三国芦原線上では福井市のほぼ北端に位置し、坂井市との境界線近くに位置しています。「鷲塚」と「針原」という、福井市と坂井市の地名を合成した駅名となっています。

駅周辺は開けた場所となっており、えちぜん鉄道の列車無線基地局が設置されています。農村風景が広がり、民家や商店が点在する中に、田畑が広がっています。東へ約1kmの場所には、福井県工業技術センター、新興住宅街、自動車学校などが立地し、福井県運転者教育センター（運転免許試験場）も比較的近くにあります。

アクセスと周辺情報

鷲塚針原駅には、ケイカン交通のバスも乗り入れており、バロー新田塚店や安沢方面へのアクセスも可能です。また、福井県道・石川県道5号福井加賀線（芦原街道）沿いに位置し、河合郵便局も近くにあります。

隣の駅

参考文献

川島令三『【図説】日本の鉄道中部ライン全線・全駅・全配線 第5巻 米原駅 - 加賀温泉駅』講談社、2010年8月20日
『週刊歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄28 えちぜん鉄道 福井鉄道・北陸鉄道・のと鉄道』朝日新聞出版、2011年10月2日

鷲塚針原駅は、歴史と自然が調和した、静かな魅力を持つローカル線の駅です。

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