鹿児島市の町丁

鹿児島市における町丁の変遷

鹿児島市は、1889年の市制施行以来、周辺自治体との合併や住居表示の実施により、町丁の構成が大きく変化してきました。この記事では、鹿児島市の町丁がどのように変遷してきたのかを、詳細に解説します。

市制施行時の町丁

1889年4月1日、鹿児島市は市制を施行し、鹿児島城下とその近隣の47の町丁と3つの大字で構成されました。これは、日本で最初に市制が施行された31市の一つです。

市制施行時の鹿児島市の人口は約4万7千人でした。

市域の拡大

その後、鹿児島市は周辺の町村を編入することで市域を拡大しました。

1934年：鹿児島郡の中郡宇村、西武田村、吉野村を編入。
1950年：鹿児島郡の伊敷村、東桜島村を編入。
1967年：谷山市と合併し、新たな「鹿児島市」が発足。
2004年：吉田町、桜島町、喜入町、郡山町、松元町の5町を編入。

これらの編入により、鹿児島市の町丁は大幅に増加しました。

町丁の変遷

市制・町村制施行時の町・字

1889年、鹿児島県では市制・町村制が施行され、現在の鹿児島市域は市または村となりました。それまでの町・村は町丁・大字として存置されました。

鹿児島市

鹿児島市は、47町と荒田村、塩屋村、西田村の一部を統合して発足しました。従来の町は町丁に、村は大字となりました。市役所は山之口馬場町に置かれました。

鹿児島郡

鹿児島郡には、西武田村、中郡宇村、吉野村、伊敷村、吉田村が設置されました。

北大隅郡

北大隅郡には、東桜島村、西桜島村が設置されました。

谿山郡

谿山郡には、谷山村が設置されました。

日置郡

日置郡のうち現在の鹿児島市域には、上伊集院村、下伊集院村、郡山村が設置されました。

給黎郡

給黎郡のうち現在の鹿児島市域には、喜入村が設置されました。

市制・町村制施行から1934年まで

1899年、鹿児島市では「通」、「馬場」、「小路」が付く町名から、これらを除く改称が行われました。

1906年には、鹿児島港の埋立地に洲崎町が成立しました。

1911年には、伊敷村と西武田村との境界変更が行われ、一部が鹿児島市に編入され、新たな町が設置されました。また、大字が町丁に変更されました。

1920年、伊敷村の一部が鹿児島市に編入され、1925年に玉里町、永吉町、原良町が設置されました。

1924年には、南林寺墓地の整理に伴い、南林寺町が設置されました。

1934年には、中郡宇村、西武田村、吉野村が鹿児島市に編入され、大字の区域をもって町の区域が設定されました。

1950年の伊敷村・東桜島村編入

1950年には、伊敷村、東桜島村が鹿児島市に編入され、新たに町の区域が設定されました。

1950年から1968年まで

1956年には、下伊集院村が解体分割され、一部が郡山町、東市来町、日吉町に編入されました。

鹿児島市における町域再編

1962年に住居表示に関する法律が施行され、鹿児島市は市街地での住居表示に着手しました。これにより、多くの町で町域の変更が行われました。

1963年：城南地区で住居表示が実施され、千日町、城南町、錦江町が新設され、洲崎町が廃止。
1965年：中央地区で住居表示が実施され、照国町、城山町、名山町が新設され、汐見町、六日町、築町、生産町が廃止。
* 1967年：上町地区で住居表示が実施され、上本町、大竜町が新設され、和泉屋町、恵美須町、車町、栄町、向江町が廃止。

1967年の谷山市新設合併

1967年、鹿児島市と谷山市が合併し、新たな鹿児島市が誕生しました。両市に存在した同名の町は、名称が変更されました。

1969年から2004年まで

1969年以降、真砂、新川、鶴ケ崎、港地区、紫原地区、西鹿児島駅前一帯、高麗・上荒田地区、南港地区、下荒田・天保山地区、郡元・鴨池・上荒田地区、武・西田地区、新照院・草牟田・城西地区、与次郎ヶ浜地区、伊敷・緑ケ丘団地地区、玉里団地地区、桜ケ丘団地、笹貫・谷山塩屋地区、原良団地・永吉団地地区、西郷団地・武・西田地区、小松原地区、梶原迫団地地区、冷水・玉里地区、上之原・辻ヶ丘・催馬楽団地地区、慈眼寺団地地区、東田上・田上団地地区、大明ヶ丘団地地区など、多くの地区で住居表示が実施され、町域の再編が行われました。

2004年の5町編入

2004年、吉田町、桜島町、喜入町、郡山町、松元町が鹿児島市に編入されました。これにより、旧5町の各大字は「～町」と改称されました。

2004年以降

2004年以降も、明ケ窪地区、小野町加志喜地区、武岡台地区、中央慈眼寺台地区、原良第二地区、常盤地区、坂之上地区、光山地区、南皇徳寺台地区、宇宿中間・広木地区、原良西部地区、和田地区、谷山第二地区、吉野地区、原良第三地区、清和地区などで住居表示が実施され、町域の再編が行われました。

また、2006年には新島町が新設され、2007年には中央港新町が新設されました。

2023年には、吉野三丁目、吉野四丁目が設置されています。

現在の町丁

2020年2月3日現在、鹿児島市には360の町丁が設置されています。その詳細については、「鹿児島市の町丁一覧」を参照してください。

このように、鹿児島市の町丁は、市制施行以来、数多くの変遷を経てきました。これらの変遷は、鹿児島市の発展と歴史を物語るものです。

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