下荒田

下荒田（しもあらた）

鹿児島県鹿児島市に位置する下荒田は、甲突川中流域に広がる町丁です。郵便番号は890-0056で、2020年4月1日時点での人口は10,677人、世帯数は6,559世帯となっています。住居表示が実施されており、下荒田一丁目から下荒田四丁目までが存在します。

地理

下荒田は鹿児島市の中央部に位置し、北は新屋敷町や甲突町、南は鴨池や与次郎、東は天保山町、西は荒田や高麗町と接しています。町の北部には甲突川が流れ、豊かな自然環境を形成しています。

歴史

下荒田町の成立

1879年（明治12年）、それまで荒田村の一部であった地域が下荒田町として分立しました。当時、下荒田には士族が多く居住しており、武家町としての色合いが濃かったとされています。

市制施行から第二次世界大戦まで

1889年（明治22年）、鹿児島市が市制を施行した際、下荒田町は鹿児島市の一部となりました。その後、1899年（明治32年）には一時的に「荒田町」に改称されましたが、1911年（明治44年）には再び「下荒田町」に戻されました。また、同年には西武田村の一部であった天保山の飛地が下荒田町に編入されました。1934年（昭和9年）には、天保山の区域が分割され、天保山町が新設されました。

第二次世界大戦中の1945年（昭和20年）には、アメリカ軍による空襲を受け、下荒田町を含む地域に甚大な被害が発生しました。多くの犠牲者が出ただけでなく、町は大きな爪痕を残すこととなりました。

第二次世界大戦以後

戦後の1971年（昭和46年）に高麗・荒田地区で住居表示が実施され、下荒田町の一部は荒田一丁目と荒田二丁目の一部となりました。また、一部は高麗町に編入されました。1973年（昭和48年）には、下荒田・天保山地区で住居表示が実施され、下荒田一丁目から四丁目が設置されました。この再編により、下荒田町の一部は天保山町に編入されました。1976年（昭和51年）には、与次郎ヶ浜地区で住居表示が実施されたことに伴い、下荒田町は廃止され、その区域は与次郎一丁目、二丁目、鴨池二丁目の一部となりました。

町域の変遷

下荒田は、歴史の中でその区域や名称が幾度となく変化してきました。これは、都市化の進展や行政区画の再編によるもので、地域の変遷を物語っています。

人口

国勢調査によると、1995年以降の人口は以下のように推移しています。詳細なデータは省略しますが、地域の人口構成は社会の変化とともに変動しています。

施設

公共施設

下荒田には、鹿児島県総合体育センター体育館、鹿児島県警察鹿児島中央警察署荒田交番、八幡福祉館などの公共施設があります。これらの施設は、地域住民の生活や活動を支える重要な役割を担っています。

教育機関

鹿児島大学水産学部、野村服飾専門学校、鹿児島外語学院などがあります。また、鹿児島市立天保山中学校や鹿児島市立八幡小学校、研明舎幼稚園、八幡幼稚園などの教育機関も充実しており、地域の子どもたちの教育を支えています。

郵便局

鹿児島下荒田一郵便局と鹿児島下荒田四郵便局があり、地域住民の郵便サービスを支えています。

寺社

荒田八幡宮、高野山清光院、大東寺などがあり、地域の歴史と文化を伝えています。

交通

道路

下荒田には、国道225号、鹿児島県道20号鹿児島加世田線、鹿児島県道218号鹿児島港下荒田線などの道路が整備されています。これらの道路は、地域内外を結ぶ重要な交通網となっています。

下荒田出身の著名な人物

下荒田町が設置される以前の荒田村出身者も含め、多くの著名人がこの地から輩出されています。

松方正義 - 第4・6代内閣総理大臣（現在の松方公園付近で誕生）
税所篤 - 薩摩藩士、枢密顧問官
園田実徳 - 実業家、政治家
横山正治 - 大日本帝国海軍軍人（真珠湾攻撃における九軍神の一人）

下荒田は、歴史と文化が深く根付いた地域であり、これからもその歴史を紡いでいくことでしょう。

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