鹿取泰衛

鹿取 泰衛（かとり やすえ）

鹿取泰衛は、1921年7月16日に宮城県仙台市で生まれ、2003年1月11日に東京都目黒区で逝去した日本の外交官です。彼の長いキャリアは、日本の国際関係に多大な影響を与えました。位階は正三位であり、外務大臣官房長、外務審議官、駐中国特命全権大使、駐ソ連特命全権大使などを歴任しました。

教育と外交の道のり

鹿取は1941年に浦和高等学校文科乙類を卒業した後、1943年に東京帝国大学法学部政治学科へ入学しますが、途中で中退し、外務省に入省しました。入省後は、その言語能力を活かしてドイツ語の研修を受け、在ドイツ日本国大使館において一等書記官として勤務しました。

1963年には外務省欧亜局西欧課長に就任し、その後1965年には外務大臣官房会計課長に昇進します。さらに1967年には北米局外務参事官を務め、同年に在シアトル日本国総領事館の総領事に任命されました。

国際的な任務と大使としての活躍

鹿取は1969年から1970年にかけて在インド日本国大使館に参事官として勤務し、外務省経済協力局外務参事官を経て、1972年には外務大臣官房長に任じられます。その後、1974年には経済協力局の局長に就任し、国際的な貢献を果たしました。

1975年にはオーストリア国駐箚特命全権大使に任命され、国際原子力機関理事会理事として日本政府の代表を務めました。1979年には外務審議官に就任し、1981年には中華人民共和国駐箚特命全権大使に任命されます。この任務では、日本と中国の外交関係の構築に貢献しました。

その後、1984年にはソヴィエト連邦駐箚特命全権大使として活動し、冷戦時代の中で重要な役割を果たしました。彼の業績は、日本の対外政策の発展に大きく寄与しました。

多様な役職と最晩年

鹿取は1987年に国際交流基金の理事長に就任し、1992年には顧問としてその活動を支えました。また、1993年には日本外交協会の理事長に選ばれ、同年に勲一等瑞宝章を受章しています。国際交流や外交の重要性を理解し、後進の育成にも力を注いでいました。

2003年1月11日、鹿取は東京都目黒区の自宅にて呼吸不全のため72歳で亡くなりました。彼の死は、日本の外交界にとって大きな損失となりました。生涯を通じて、国際舞台での架け橋としての役割を果たし続けた彼の功績は、今なお多くの人々によって語り継がれています。

家族

外交官として成功した鹿取の子どもには、同じく外交官である鹿取克章がいます。親子で外交の道を歩んだことは、彼の影響とその遺産を捉える上で重要なポイントです。

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