麒麟橋

麒麟橋（きりんばし）

麒麟橋は、新潟県東蒲原郡阿賀町の阿賀野川に架かる、国道49号（および国道459号）の橋長242.8mの橋梁です。この橋は、トラス橋と桁橋の複合構造をしており、阿賀町の津川地区と角島地区を結ぶ重要な役割を担っています。

概要

麒麟橋は、3径間単純鋼トラス橋と2径間単純ポストテンション方式T桁橋から構成されています。阿賀野川の南側（左岸）がトラス橋、北側（右岸）がT桁橋となっており、全長は242.8m、全幅は6.7mです。車道は2車線で、上流側には自転車歩行者道橋が併設されています。

現在の橋梁は1961年（昭和36年）に供用を開始し、阿賀野川によって分断された津川市街地と、北側の集落、そして近くにあるJR磐越西線の津川駅を結ぶ生活道路として、長年にわたり利用されてきました。麒麟橋の南詰交差点からは津川バイパスの津川トンネルに直通し、同交差点で新潟県道14号新発田津川線および新潟県道512号西津川線と接続します。また、北詰の津川駅前交差点では新潟県道174号角島鹿瀬線と接続しています。

この橋は、揚川ダム建設に伴う付け替え道路として新潟県によって建設されました。

課題と対策

麒麟橋周辺は川幅が広く、上流には麒麟山を望むことができる風光明媚な場所ですが、橋梁の老朽化が進行していました。2008年（平成20年）の点検では、コンクリートの剥落や鉄筋の腐食、破断などが確認されました。そのため、2009年（平成21年）秋から翌2010年（平成22年）夏にかけて大規模な補修工事が行われました。

また、構造的な問題点として、車道幅員が5.65mしかなく、大型車両のすれ違いが困難であることや、北詰側に見通しの悪い急カーブ（曲率半径60m）が存在することなどが挙げられていました。さらに、北詰側の同町大牧から黒岩にかけての約3.5kmの区間では土砂災害が頻発しており、連続雨量150mmを超過すると通行止めとなる事前通行規制区間に指定されていました。揚川トンネルも車道幅員が5.5mと狭く、背高海上コンテナ車両が通行できないという問題がありました。

これらの問題を解決するため、国土交通省北陸地方整備局新潟国道事務所は、抜本的な対策としてバイパス道路である揚川改良事業を実施し、2013年（平成25年）3月30日に全線供用を開始しました。このバイパスの開通により、交通の円滑化と安全性の向上が図られました。津川トンネル・麒麟橋を含む津川から大牧の区間は引き続き国道に指定されていますが、事前通行規制区間に指定されていた大牧から黒岩にかけての区間は全面通行止めとなっています。

諸元

形式：鋼下路3径間単純ワーレントラス橋+PC3径間単純ポストテンションT桁橋
橋格：1等橋 (TL-20)+雪荷重 (100 kg/m3)
橋長：242.800 m
支間割：3×60.000 m + 2×30.000 m
幅員：
総幅員：10.600 m - 11.100 m
有効幅員：6.000 m
車道：6.000 m
歩道：なし
総鋼重：254.175 t
下部工：扶壁式橋台・小判張出式橋脚
基礎：井筒基礎
床版：鉄筋コンクリート
施工：日本橋梁
架設工法：ケーブルエレクション工法

麒麟橋側道橋

形式：鋼3径間連続箱桁橋+鋼2径間単純合成鈑桁橋
橋長：242.800 m
幅員：2.5 m
下部工：重力式橋台・張出式橋脚（橋梁添加）

沿革

1958年（昭和33年）9月18日：台風21号により、麒麟橋が流出（現在の橋よりも上流に架かっていた）。
1961年（昭和36年）：新潟県により現在の橋梁が開通。
1963年（昭和38年）：一級国道49号となり、同年に直轄区間として建設省北陸地方建設局新潟工事事務所が担当。
1972年（昭和47年）：側道橋を架設。
1980年（昭和55年）12月5日：本橋南側までの津川バイパスが開通。
2013年（平成25年）3月30日：揚川改良が開通。

周辺情報

麒麟橋周辺には、以下の観光スポットがあります。

麒麟山
麒麟山公園
麒麟山温泉

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