麻生町 (札幌市)

札幌市北区麻生町：歴史と利便性が融合する街

札幌市北区に位置する麻生町（あさぶちょう）は、地元では「あざぶ」という愛称で親しまれている地域です。正式名称は「あさぶ」ですが、「あざぶ」と表記された看板も多く見られます。この町は、琴似栄町通、創成川幹線、そして札幌市道新琴似4番線の3路線に囲まれた三角形のエリアに位置し、1丁目から9丁目までが存在します。

地名の由来

麻生町の地名は、かつてこの地にあった帝国製麻琴似工場に由来します。この工場は、地域住民から「亜麻会社」や「帝麻」と呼ばれていました。1957年に工場が閉鎖された後、跡地は住宅団地として開発されることとなり、1959年に正式に「麻生町」と改称されました。この地名の名付け親は、当時の工場長であった黒川修策氏です。北海道の亜麻栽培発祥の地であり、地域経済に大きく貢献したことから、「麻」の字を残したいという思いが込められています。

地域の特徴

麻生町には、小中学校は存在せず、近隣の新琴似小学校と新琴似中学校が校区となっています。また、麻生という名称は、麻生町だけでなく、新琴似の東部を含む地域、特に地下鉄麻生駅を中心としたエリアの総称としても使われています。

周辺施設

麻生町とその周辺には、以下のような施設があります。

イオン札幌麻生店: 麻生バスターミナルに併設されており、地域住民の生活を支える大型商業施設です。
東光ストア麻生店: 地元密着型のスーパーマーケットとして、日常の買い物に便利です。
札幌市麻生球場: 市民が利用できる野球場です。
札幌市下水道科学館: 下水道に関する知識を深めることができる施設です。
麻生明星幼稚園: 地域の子どもたちが通う幼稚園です。

交通機関

麻生町は、札幌市内の主要な交通機関へのアクセスが良好です。

札幌市営地下鉄南北線: 麻生駅と北34条駅が利用可能です。
JR北海道札沼線（学園都市線）: 新琴似駅が利用できます。
国道: 国道5号、国道231号、国道274号が町内を通っています。

歴史

麻生町の歴史は古く、7世紀から13世紀頃の擦文時代の住居跡が、現在の北海道大学植物園付近から麻生を通り、篠路まで蛇行する旧琴似川沿いに発見されています。19世紀後半には屯田兵が入植し、その後、帝国製麻の工場が設立されました。以下に、麻生町の主な歴史をまとめます。

1887年～1888年: 屯田兵が入植し、「新琴似」と呼ばれるようになる。
1891年: 北海道製麻琴似工場（後の帝国製麻）が操業開始。
1911年: 札北馬車鉄道（後の札幌軌道）が開通。
1934年: 国鉄札沼南線が開通し、新琴似駅が開業。
1935年: 札幌軌道が廃止。
1942年: 琴似村が町制施行し、「札幌郡琴似町新琴似」となる。
1955年: 琴似町が札幌市に編入され、「札幌市琴似町新琴似」となる。
1957年: 帝国製麻工場が閉鎖。
1959年: 町名が変更され、「札幌市麻生町」が誕生。
1963年: 札幌市電鉄北線が麻生まで延伸。
1967年: 市電が新琴似駅前まで全線電化。
1972年: 札幌市が政令指定都市に移行し、「札幌市北区麻生町」となる。
1974年: 市電鉄北線が全線廃止。
1978年: 地下鉄南北線が麻生まで延伸開通し、北34条駅と麻生駅が開業。

まとめ

麻生町は、歴史的な背景を持ちつつ、現代的な利便性も兼ね備えた地域です。交通の便が良く、商業施設も充実しているため、住みやすいエリアとして人気があります。また、地名の由来や過去の出来事を知ることで、この地域への愛着がさらに深まるでしょう。

参考文献

新琴似百年史編纂委員会 編『新琴似百年史』新琴似開基百年記念協賛会、1986年。doi:10.11501/9571752。https://doi.org/10.11501/9571752。

外部リンク

札幌市北区役所

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