黒姫山秀男

黒姫山秀男 (1948-2019) の生涯

黒姫山秀男（くろひめやま ひでお）は新潟県西頸城郡青海町、現在の糸魚川市出身の元大相撲力士です。本名は田中秀男（たなか ひでお）で、1948年11月12日に生まれました。彼の最高位は東関脇であり、現役時代は主に「押し」「右四つ」「寄り」を得意技としました。また、四股名の「黒姫山」は出身地に由来しています。

幼少期からの夢

幼少期、黒姫山はプロレスラーに強い憧れを抱いており、プロレスの新聞記事を切り抜いて集めるほどでした。家族の事情から、彼は中学卒業後に家計を助けるために大相撲の世界に足を踏み入れます。1964年の3月場所で初土俵を踏むことになりますが、当初は相撲への興味は薄く、ヒーローも力道山に憧れながらも、実は相撲自体にはあまり関心がありませんでした。

入門と力士生活の始まり

入門のきっかけは、担任教師からの勧めでした。彼が師匠である元横綱・羽黒山と出会ったのはその後のことです。黒姫山の四股名は師匠によって命名され、故郷の黒姫山に由来しており、これは彼自身の意向が反映されたものでした。

立浪部屋での生活は厳しく、朝早くからの稽古が日常でしたが、中学時代からの新聞配達の経験が生かされ、早起きは問題ありませんでした。立浪が指導を行う様子は独特で、稽古が足りない力士には厳しく言葉をかけることもありました。彼自身は多くの力士たちから指導を受けながら成長していきました。

出世とその成果

黒姫山は順調に出世をしていき、1969年3月場所には新十両、同年7月場所には新入幕を果たします。その後、彼は幕内での安定した成績を収め、1970年には西小結へ昇進しました。特筆すべきは、当時の大横綱・大鵬を下すなどの好成績を収めた点です。その強力な「ぶちかまし」の技術は、「デゴイチ」として知られました。この技術に依る活躍が彼の名を広める要因となりました。

結婚と指導者としての道

1973年には、師匠の長女と結婚し、娘婿となりました。大関候補として名を馳せながら、出汗をこなすも、少々の波に乗れない時期もありました。最終的に1982年1月に引退し、年寄・錦島を襲名後も、指導者として相撲界に貢献しました。

停年後の活動

黒姫山は2013年に停年を迎えた後、解説者としても活動を続けました。特に、NHKラジオでの大相撲中継は彼の長年の仕事として知られています。停年後はコラムや助言を通じて後進の指導も行いました。

家族とその後

黒姫山の死後、彼の家族や弟子たちによって名を受け継がれる動きがありました。孫の田中虎之介は相撲界に進み、2023年に「田中山」として初土俵を踏みました。これにより、家族内で相撲の伝統が脈々と受け継がれていくことが期待されています。

亡くなるまでの生活

2019年4月25日に肺炎を理由に逝去しました。その後、彼の通夜には多くの相撲界の関係者が参列し、彼の功績をしのぶ時間となりました。また、彼の死は彼の力量と人生の歴史を辿る上で、多くの人の記憶に刻まれることでしょう。彼の人生は力士としてだけでなく、指導者としても多くの印象を与え続けています。

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