黒帽子族

黒帽子族（チョールヌィ・クロブキ）とは

黒帽子族（くろぼうしぞく、ウクライナ語: Чорні клобуки; テュルク語: Qaraqalpaq、意訳: 黒帽子）は、11世紀から13世紀にかけてキエフ公国の南部、ローシ川周辺に居住した、テュルク系の定住遊牧民の集団の総称です。黒頭巾族（くろずきんぞく）とも呼ばれます。

構成

ペチェネグ人、トルク人、ベレンデイ人などのテュルク系部族によって構成されていました。

キエフ公国における役割

黒帽子族はキエフ大公に仕え、軍役を担い、キエフの南部を警護する重要な役割を果たしました。大公によるルーシの諸公やポロヴェツ族との戦いにも参陣し、その軍事力は公国の防衛に不可欠でした。また、公国の政治にも関与し、貴族と共に大公を選ぶ権利を有していました。

その後

13世紀以後、黒帽子族の一部はルーシ人に同化され、歴史の中に姿を消していきました。一方で、一部は草原へと帰還し、ポロヴェツ族と混ざり合ったとされています。彼らの足跡は、その後の民族形成にも影響を与えたと考えられますが、詳細は不明な点が多く残されています。

カラカルパク人との関連性

黒帽子族と現在のカラカルパク人との関連性については、確かな証拠がなく、不明です。

参考文献

伊東孝之・井内敏夫・中井和夫（編）『ポーランド・ウクライナ・バルト史』、世界各国史、山川出版社、1998年。
黒川祐次『物語ウクライナの歴史』、中央公論新社、2002年。
清水睦夫「ロシア国家の起源」 // 『世界歴史大系　ロシア史 1 -9世紀～17世紀-』、田中陽兒・倉持俊一・和田春樹編、山川出版社、1995年。

関連項目

カランディーンツィ
キエフ州
コヴイ人
カラカルパクスタン共和国
カラカルパク人

外部リンク

* Глава VI. Тюркские конфедераты Руси // Владимир Луценко. Тюркский фактор в истории и этногенезе украинцев и их предков（ウクライナ人とそれらの祖先の起源におけるテュルク人の要素）

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