黒田清綱

黒田 清綱の生涯と業績

黒田 清綱（くろだ きよつな、1830年4月13日 - 1917年3月23日）は、日本の官僚、政治家、そして歌人として知られる人物です。彼は幕末から明治にかけて活躍し、正二位勲一等子爵という称号を持っていました。

幕末期の経歴

清綱は薩摩藩士・黒田清直の息子として生まれました。同じく薩摩藩出身の黒田清隆との血縁関係も指摘されていますが、詳細は不明です。彼は藩校造士館で学び、藩主の島津斉彬に評価されて史館に進みました。また、国学者であり歌人でもある八田知紀から和歌を学び、西郷隆盛とも深い友好関係を築いていました。

1866年、江戸幕府による第二次長州征伐の際、清綱は大宰府に流されていた五卿を大坂に連行しようとしましたが、藩命を受けて彼らの移送を阻止するために幕府の使者と交渉しました。その結果、移送を中止させることに成功。以降は京都や大坂に滞在し、戊辰戦争では山陰道鎮撫総督の参謀として活躍しました。

明治期の活動

明治に入ると、清綱は鹿児島藩の参政として藩政改革に尽力し、1870年には明治政府に招かれ弾正少弼として稲田騒動の鎮圧に携わりました。後に東京府大参事を務め、川路利良と共に警察制度の整備にも参与。教部少輔、文部少輔と役職を変え、西南戦争の際には島津久光に西郷隆盛の助命を嘆願しました。

清綱はまた、1875年に元老院議官に就任し、1887年には子爵に叙せられ、1890年には貴族院議員にも選出されています。同年には錦鶏間祗候にも任命され、1900年には枢密顧問官としても活動しました。このように、彼は明治政府の重要な政務を行なった人物でもあります。

歌人としての側面

清綱は歌人としても功績を残しました。高崎正風の死後には明治・大正両天皇の和歌の指導を行い、麹町に滝園社という会を設立し、歌集『庭たつみ』を刊行して多くの弟子を育てました。息子の清秀がいましたが、庶子のために家督は養子の清輝に託しました。しかし清輝は留学中に西洋画を志し、明治を代表する画家となることで、滝園社は清秀に継承されることとなりました。

栄典と位階

清綱はその業績に対して数々の栄典を受けました。位階は次の通りです。

• - 1885年 正四位
• - 1886年 従三位
• - 1894年 正三位
• - 1904年 従二位
• - 1915年 正二位

また、勲章も多く、1886年には勲二等旭日重光章、1890年には大日本帝国憲法発布記念章、1903年には勲一等瑞宝章、1906年には旭日大綬章、1915年には大礼記念章、1917年には旭日桐花大綬章を受章しました。

結論

黒田清綱は、思想家としてだけでなく、政治家、歌人としても日本の近代史に名を刻んだ重要な人物です。彼の業績は現在も多くの人々に影響を与え続けています。

もう一度検索