龍驤 (空母)

航空母艦龍驤の詳細

航空母艦「龍驤」は、大日本帝国海軍における重要な艦艇で、当初は軽空母として設計されていましたが、次第に改造を施され、性能が向上しました。その特徴や歴史について詳しく見ていきましょう。

特徴

「龍驤」の設計段階では、格納庫が1段構造で約24機の航空機を搭載する計画でした。しかし、建造中に改設計され、格納庫が2段に増設され、最大で36機を搭載する仕様となりました。また、当初の計画よりも排水量が増加し、就役時には公試排水量が約11,733トンに達しました。

艦名の「龍驤」は、瑞祥神獣に由来し、「龍のように空に上がり勢いが良い」という意味が込められています。日本海軍においては、明治時代に建造された装甲コルベット「龍驤」に続く2隻目の艦で、その名を受け継ぎました。

構造

航空母艦としての「龍驤」は、発着艦時の高速性能を重視し、基盤として巡洋艦の船体を改良して作られました。船体の全長は175メートルで、公試状態での最大幅は約20メートルとなっており、艦首のデザインは前傾し、船体全体にわたってフラットな形状を持っています。また、この艦は外部構造物が大型で、それが独特の外観を形成しています。

船体の特性

龍驤の外観は、細身の船体に対して大きな上部構造物が目を引きます。艦橋は飛行甲板上には位置せず、艦首に近い場所に設けられていました。煙突は、艦体の後部に位置し、急旋回時の安定性が問題視されることもありましたが、設計の都合上、そのままの形状で建造されました。

整備と運用面でも改修が行われ、着艦設備や対空砲にも新しい技術が導入されました。具体的には、12.7cm連装高角砲や機銃が搭載され、航空母艦としての対空能力を強化しています。

搭載機と運用

就役時、「龍驤」は九〇式艦上戦闘機や艦攻を搭載し、開戦時には効率的に作戦を展開しました。歴史の中で、艦載機を変更しつつ、数々の戦いに参加しました。特に、逆境を乗り越えながらも実戦での運用に耐える能力を育てました。

歴史の流れ

「龍驤」は1929年に起工し、1931年に進水しました。竣工後は、様々な任務をこなしながら日本海軍の航空戦力としての役割を担いました。特に、支那事変や太平洋戦争での航空支援任務が注目され、有名な作戦でも活動を行いました。特に、1941年のフィリピン戦や1942年のスマトラ作戦での活躍が顕著です。

やがて、アリューシャン作戦やソロモン海戦にも加わり、戦績を上げ続ける一方、運用上の難しさや敵艦機からの攻撃も受けながら、その運命は次第に厳しいものになりました。1942年8月，最終的には敵の攻撃を受け沈没する運命を辿ることとなりました。

結論

野戦での活躍や建造の背景に見るように、航空母艦「龍驤」は日本海軍の歴史において重要な役割を果たしました。その設計や運用における多くの課題を抱えながらも、攻撃や防御の両面で戦術の一環として機能し続けました。この艦艇が持つ歴史的価値と功績は、後の世代に語り継がれています。

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